3rd
Wuthering Heights / Far From The Madding Crowd
こういう所行ってみたいですね

Track List :

1. Gather Ye Wild
2. The Road Goes Ever On
3. Far From The Madding Crowd
4. Longing For The Woods Pt.1
5. Highland Winds
6. Longing For The Woods Pt.2
7. The Bollard
8. Bad Hobbits Die Hard
9. Longing For The Woods Pt.3
10. Land Of Olden Glory
11. Lament For Lórien
12. Memory Within A Memory

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

デンマークの絶対に先の展開が読めないこと夥しいバンド、Wuthering Heightsが変幻自在の七色の声を持つNils Patrik Johanssonの協力を得て、さらに変態になって帰ってきました。変態であれなんであれ、突き詰めることは素晴らしいことだと思う!先生嬉しい!

いったい誰がこれほどの変貌を1stWithinから予想できただろうか。今作はかなり成長を遂げていた前作To Travel Forevermoreからさらに違う。まずクリアで憂いのあるしっとりとした彼の声が絶妙にマッチしていた前作の叙情的シンフォニックメタル具合から、がなりっぽく歌うボーカルがマッチする民族的、ヴァイキング風味を全面に出すカタチのシンフォニックメタルへと全体の方向性が変化した。そして彼らの持ち味である全く予想もしない角度から殴りつけてくる変態展開はあいも変わらず泰然として彼らの楽曲に居座っている。「とりあえず鐘の音ぶちこんでおくか!」「ここで笛ふいとくか!」といったようなXaMetalicな要素も随所にちりばめられてるのは非常に嬉しいことだね

部分部分で疾走と言うより薙ぎ倒す勢いの爆走をかましつつも、その爆走から生み出される雰囲気をひねりにひねった展開に織り交ぜる、もはや計算されてるのかされてないのかわからないほど極められたこの構成力に、その物語を朗々と歌い上げるボーカル・・・この唯一無二のWuthering Heightsワールドの完成系がここにある。ただしあまりにも強烈な個性故にすさまじく好みが分かれると思う。けれども、Dream Theaterよりは理解しやすいと思うので興味があったら手に取ってみたらいいことあるかもしれないね。最低5回は全力で正座して聞き込まないとわからないかもしれないけどね。スカッ!と駆け抜けていく方をお求めなら手にしてはいけません。へそまがりさんにオススメです

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Best tune : Bad Hobbits Die Hard

頭おかしい系の猛爆走インスト。好き。リズム隊の安定具合がわかっていい感じ

評価 … ★★★★★★★☆☆☆(秀盤)

デンマークのメロディック・プログ・スピードメタルバンドの3rdアルバム。今何曲目を聴いているかすら分からなくなるほどに捻くれに捻くれる楽曲は相変わらずに、ボーカルにRichard Andersson's Space Odysseyパトリック・ヨハンソンを迎え大きな弱点を補強。薄っぺらかったプロダクションにも厚みが加わった為、バンドのやりたいことがより鮮明に伝わるようになりストレスを感じなくなりましたね。スピード感と複雑な展開美を同居させた作風は既に彼らならではといえる仕上がりです。

個々のプレイヤー面ではなんといってもパトリック・ヨハンソンでしょう。中音域が太く楽曲に力強さを与える彼のボーカルは民謡系パートの多いこのバンドの正にはまり役。適任適材とはこの事と言えるくらいな調和を見せています。ギターは技術的に特別上手いわけではないのですが枯れ気味の音作りが悶絶に一躍買ってますね。

最初にプログ・スピードメタルと紹介しましたが、彼らはプログレッシブはプログレッシブでも変拍子の妙を味わうタイプではなく、展開がひたすら多いタイプといった方が正しいと思います。Blind Guardian的中世ファンタジー世界観を元に、Dark Moorをさらに複雑にしたかのような展開をまぶしたメロスピといえば伝わるでしょうか。伝わんないね。まぁなんにせよ、どの曲もこれは悶絶!となるパートを持っており聴き応えは十分。個人的には#4の後半で聴けるバイオリンによる民謡系”火を囲んでみんなでダンスダンス”パートの直後にまた猛烈疾走を再開する様に失禁クラスに悶絶。そのまま疾走で終わって欲しかったなとは思うのですがね。#5の4:09から登場する小林亜星のCM曲的なフレーズにも爆笑しながらマジ悶絶。激走インストの#8も全編クサクサでおもしろいし、今回は彼らのやりたいことが見事に昇華され、複雑に展開する中にもクライマックスを作ることに成功しています。が、同時に残念なのはクライマックスを迎え、”ここで終わって欲しい”という所で終わらないことか。でも前作に比べ全ての面でパワーアップが図られており、彼ら的プログ・スピードメタルの一つの完成形として紹介しても差し支えないレベルの作品に仕上がったのではないでしょうか。が、まだまだ展開のための展開に陥り前後の脈絡が薄いと感じられる箇所が数多く見られるので、次作でその辺をどのように料理してくれるかが楽しみです。
~どみね。~

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Best tune : Longing For The Woods Pt.1

前半のミドルテンポを基調の聴かせ曲が、バイオリン主体の民謡系パートを境に疾走を交えてどんどん盛り上がっていくサナギの羽化ような展開に悶絶。なんと言ってもサビがおいしゅうございました。
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