3rd
Satanic Warmaster / Carelian Satanist Madness
かかって来いや。

Track List :

01 The Vampiric Tyrant
02 Carelian Satanist Madness
03 True Blackness
04 My Dreams of 8
05 Eaten by Rats
06 666
07 My Kingdom of Darkness
08 Blessed be, the grim art!

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

フィンランドといえばラッペーンランタ出身のSatanic Warmasterだが、これは2005年6月発売の3rdフルアルバムである。発売元レーベルがNo Coloursである為か、日本ではあまり見かけない上にAmazonでも取り扱ってもらえない不遇のアルバムといえよう。

1st、2ndではシンプルなジャケが印象的であったが、今回は白黒を保ってはいるもののメンバーの写真を載せて気合の入った姿を見せている。と言ってもSatanic Tyrant Werwolf(本名はLate Penttiläと言うようだ)一人だけであるが。またジャケ写だけではなく、ブックレットには歌詞なども記載されておりCDとしての完成度も上がっていると言えよう。更にバンドロゴもかなりパワーアップしているようだ。真ん中に付いているペンタグラムが存在感があって良い。

さて、このアルバムであるが2005年3月から4月にかけて製作されたものであり、セッションドラマーとしてVholmさんが、セッションギターとしてLord War Torechさんが参加している。それ以外のパートは全てSatanic Tyrant Werwolfさんが担当しており、作詞もCommando Wolfによる"Blessed be, the grim art!"(というかこれは歌じゃないが)以外は彼によるものである。実に多才だ。

このアルバムはアナログレコーダでレコーディングされたと言うこともあってか、サウンドとしてはいたってシンプルである。音楽性は完全に1st及び2ndアルバムを踏襲するものであり、尚且つ楽曲のバリエーションの豊かさやアルバムの構成など着実にスケールアップしている。スローなパートで唐突に始まり、メロディアスに疾走する"The Vampiric Tyrant"は見事なまでのSatanic Warmaster節であり、このバンドのサウンドが好きな人間にとっては大満足である。"My Dreams of 8"は終始スローテンポな曲であり、悲壮感の漂う絶叫や語りのようなパートなどは今までのアルバムでは聴かれることのなかった新境地といえるのかもしれない。このアルバムが出る前にリリースされたミニでもスローな曲をやっていたようであり、そのあたりの経験が生かされているのだろう。

アルバムは通して40分ほどで気軽に聴き通せる長さ。日本ではなかなか入手し辛いのが難点ではあるのだが、2005年発売のメタルCDの中でもとりわけ手に入れて聴くべきアルバムであることは間違いない。彼らと同じ時代に生を受けたことを感謝せずに入られない。他にも様々なバンドで活動しているSatanic Tyrant Werwolfさんには、今後の更なる活躍をも期待して止まない。


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Best tune : Eaten by Rats

後半のメロディに胸を打たれる。
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