Satanic Warmaster / Nachzehrer
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Track List :
01 Intro 02 Satan's Werewolf 03 Vampires 04 Warmaster Returns 05 One Shining Star 06 Bestial Darkness 07 Rotting Raven's Blood 08 Utug-Hul
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評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great)) 2010年8月にリリースされた4thアルバムです。 Satanic Tyrant WerwolfさんはEPやsplitはよく出していますが、オリジナルフルアルバムとしては実に5年ぶりでした。今作でも存分に変わらぬさたにっくな世界を醸し出して、溢れ出しています。
一曲目はIntroとなっていますが、これは曲ではありません。何やら咆哮のようなサウンドがひたすら続きます。あと打ち付けたり叩きつけたりするような音も聞かれます。実にSatanic Warmasterの久々のアルバムの始まりとして素晴らしい構成といえるでしょう。なにせそれだけ2分やり続けているのだから。
そして曲が始まっていくのですが、うっすらとしたベールにかかったかのようなロウなサウンドとじりじりしたようなギターのリフを聴いた時、誰もが懐かしい気分にさせられることは間違いないでしょう。新鮮でかつ真性のSatanic Warmasterのアルバムが帰ってきたのですから。そしてその気持ちに応えるかのように、このSatan's Werewolfではどかどかと鳴らされるリズムと共に哀愁のあるメロディがこれでもかとばかりに奏でられます。中盤以降の展開は誰しもが納得させられること請け合いです。
続くVampiresでは酷く歪んだ金属音のような音を連れて始まり、怒涛のヴォーカルで攻撃的に噛み付きます。この曲で打ち出されるサウンドはバックで流れるメロディも含めて、非情に不女雰囲気が漂っており健在ぶりをアピールしています。かなりよく計算されて作られていることを感じることでしょう。珍妙なギターソロも入っており、これがまた良い意味で盛り上がらなくて素敵です。突き刺さる感触ですね。凶暴です。
綺麗なアルペジオから始まる4曲目は、うっすらと聞こえるメロディラインと軽快なテンポでつたつた走るリズムに、これまた小気味よく乗せられたヴォーカルが気持ちの良い誰もが待ち焦がれたSatanic Warmasterサウンドです。楽曲名は… Warmaster Returnsですね。しっかりと帰って来ましたね。うぉーますたーりたーーーんずっという力強い歌詞もその意志の現れなのでしょう。決して古臭くならずにアイデンティティを保ったサウンドを奏でているところは幅広い共感を得ることまちがいなしでしょう。
激烈で壮絶な絶叫から始まるOne Shining Starはこれまたらしい一曲となっています。くっきりとしたサウンドで儚げなメロディを撒き散らす豪快な展開で、力強いリズム感も髄一といってよいものです。フィンランドの森をまるごと切り抜いた絵がそこにあるかのようなスケールの大きさすらも感じられ、情景描写にも磨きがかかっていることを感じさせられるのです。
6曲目は雰囲気を多少変えて生々しさが強調されているかのようです。それでもそれは全く押付けがましいものではなく、活き活きとした躍動感が曲を通して伝わってくるのです。それ故にヘヴィな感触も十分にあり、どろどろしたリフと勢いのあるドラムサウンドが絶妙な調和を聴かせてくれます。終盤での畳み掛けるようなギターとヴォーカルも熱い仕上がりです。
歌のある楽曲としては最後を飾ることになるのが、07のRotting Raven's Bloodです。この曲は一貫してスロー〜ミドルテンポで構成され、煮え切らなさをすべて飲み込んでアルバムを終わらせていきます。終始重々しく歪んだ世界観を貫き通し、ヴォーカルも思いを叩きつけときには甲高いような叫び声を発し最後までじりじりした音を残して行きました。
Utug-Hulは寂しさのあるメロディーと演説のような語りによって構成されています。アルバムを通して非情に流れが良いのですが、長さも40分と実に良い按配であり綺麗に始まり綺麗に終わっている良質の一枚となりました。変わらない良さを十分に味わうことができ、存在感もたっぷりと打ち出すことが出来ました。
ぜひ見かけたらお手にとってみましょう。
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Best tune : One Shining Star
盛り上がりの気持ちよさはこの曲が一番です!
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