4日目
起きる。
一通り修学旅行のように戯れた後、食堂へ行く。
朝からガッツリと飯を取るが常にチラつくもの、それはチケット。
このSummer Breezeに参戦するにあたり、Nuclear Blastのオンラインショップからチケットを購入していたのだが、
その注文が遅かったためチケット到着前に我々が旅立つというなんとも情けない結果になっていたからだ。
つまりチケットなし。
ないの。
とは言っても来てしまったものはしょうがないので、目先の食事に没頭。
たらふく詰め込んだ後、適当に荷物をまとめタクシーを呼ぶ。
来るまで暇だったので、なだらかな遠くの丘のには赤い屋根が連なり、
足元にはさんさんと輝く太陽を精一杯受け止めようとする草花が咲き乱れる絵のような風景を、
メタTの3人が疾走。
感覚としては綺麗な色を苦心惨憺の末作った絵の具に、ためらいも無く黒をぶち込むのに近い。
そうこうしてるうちにタクシーが到着。黄色かった。
運ちゃんに「Summer Breezeの会場までやってくれ。メタルメタル。ヘヴィメタル。フェスティバル」
と言ったらなんとか通じたようで、発車。
駅からホテルも遠かったが、ホテルから会場も遠いなぁと思っていると、
なんとなくズンドコと重い音が聞こえてくる。
おお、ここか。運ちゃんにさっそく料金を支払うと運ちゃんは「おいおまえらいつ帰るんだ」と言ってきた。
トリのWintersunが0時30分終了予定だから、1時ぐらいかなぁ?と言うと、
わかった、じゃあそのぐらいに来るといってくれた。
本当にダンケシャン。タクシー番号をメモり、降りる。
入り口には小川が流れていて、それが抜けるような空の色と太陽をキラキラと反射していた。
目に入るそれと、耳に入るヘヴィなギターやらドラムの音がとてもアンバランスで可笑しく、
なにかリミッター解除的な感情がむくむくと沸き起こり、意味も無く走った。
ゲート発見、突撃!と入ってすぐの右の道に行こうとしたらガードに止められる。
おまえら腕にサマブリのチケットつけてないじゃん、
ていうかここはアーティスト入り口だからあっちいけ猿と言われる。
へこへこと先へ進むと、どう見てもここが入り口という箇所が存在。
フヒヒ!すいません!とチケット売り場へ一目散。
すいませんチケット下さい
ねえよ
は?
売り切れ
不安的中。
魔法使いと剣がジャケだったからという理由で購入したCDがクソだったようなもの・・・
という冷静な例えが思い浮かぶ。だがそんなことはどうでもいい。
大枚はたいて来て門前払いっておまwwww
KorpiklaaniのJonneにも「Summer Breezeで会おうぜ!」といわれてるのにwwwwちょwwwww
ということで「我々はチケットを買いましたがNuclear Blastのせいで持ってくることが出来ませんでした。
すべてあいつらが悪い。被爆国の人間としてはレーベル名も気に入らない。
よって君たちは速やかに我々にチケットを発行したまえ」ととても低姿勢でお願いすると、
奴らは両手を広げアーハーン?と「知るか」というボディーランゲージを示してくれる。
ありがとう。とはいえこっちも必死だったので、さらに言葉を続けようとすると
「あのコンテナに偉いさんがいるからそいつらと交渉しなさい」と言われる。
イエッサー。
俺だけ猛ダッシュでコンテナへ。
Korpiklaaniの開始時間までそんなに余裕が無かったし、本気で焦っていたのもあるのだろう。
コンテナにはメタTを来たデブとか細長いのとかが必要以上に詰め込まれていた。
一応扇風機が回ってはいたが、どこまで効果があるのか疑問だった。
そんな冷静な観察をしつつも、かぶりつくように受付に突撃し
「Nuclear BlastはSecret Sphereなんかと契約してるからキラい」等と捲くし立てる。
「しらん」「売り切れ」と一蹴される俺。
一時期Helloweenに加入したのにまったく何もしなかったMark Crossみたいだぜ!
仕方ないので「あーKorpiklaaniに招かれてるんだけど」とちょっぴり嘘ギリギリな主張としてみる。
まさか俺が初めてニュースで取り上げたとき、まったく見ないでニュースにしたことなど知るまい。
そう思っていると「そんなこといわれても売り切れ」と言われる。
うっせ馬鹿いれろと一瞬フェンスをよじ登ってやろうかと思ったが
「あーんじゃKorpiklaaniのJonneに連絡取ってくれない?」と路線変更。
「それはできない」また一蹴かよ。すでに俺の全身は彼らの蹴り跡で一杯である。
この後日本人にしては珍しい粘り強さで交渉したのだがノーばかりだったので、諦めてコンテナを離れる。
無念我ドイツに散る、バーカ!ウンコ!ネオナチ!
次戦争する時お前らは敵だと心で最大の賛辞を送りつつ道端にへばりこんだ。
モヒもじろーも無言である。
彼らはこの緊急事態において「なんとか頑張ってくれ」としか言わなかったので、
正直小川に投げこんでやろうかと思ったのだが、
まぁ当たり前だよなさてどうすっかここは超田舎だから観光に行くとしても遠いし。。。
とボーっと空をみてたら、なにやらドイツ人が歩いてくる。
「おい、おまいらかチケットを買いたがってた日本人か」と問われたので
「いえ、私は地球市民です。しかし出身は木星かです。地球に文化を教えるために来ました」
とは答えず
そうだけどなんだようこのチョビヒゲと答えたら
「今日はすでに2日目だが、3日間の通しチケットなら売ってもいいぞ」と言われる。
ネ申キター!とはいえすでにNuclear Blastで同じものを買っているので、金額の事を考えるとちょっと泣ける…。
とはいえ入らないことにはどうしようもないので、カクカクと首を縦に振り、
そいつの後を「ダンケシャーンだんけしゃーん」と言いながら3人でついていった。
今思えば異様な光景だったと思う。
購入。
入り口で荷物チェックを通過して、ばっと視界が広がったその先には大量のメタラー。メタラーの佃煮。
というか広い。すげえ広い。そして青空と問題が解決したことによるこの開放感wwww
とりあえず走り出すwwwwうはwwww
チケット購入に時間がかかっていたためKorpiklaaniの開始時間がもうすぐになっていた。
ダッシュしたが特にその必要は無く、まえから5列目ぐらいをゲット。
開始前にJonneに会えなかったな・・・いつお土産渡そう等と思っていると
コルピキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
俺は2月にフィンランドで既に見ていたがやはり大興奮。
モヒとじろーはずっとヒッタヴァイネンを見て笑っている。
アリにパーカッションがわりに殴られて死ねばいいのにと思っていると早速Journey Manが。
うはwww1曲目からそれですかwwww。もちろん暴れ始める日本人集団。
だがドイツ人たちはなんとなく見に来た人が多いのか、合唱すべきところで歌ったりしていない。
というか、俺達を見て曲に合わせている。
俺は途中でドイツ人二人が「なんでこいつらはこんなに歌を把握しているのか」と話あってるのに気づいたが、
とりあえず夢中だったためシカト。
途中あまりの暑さ+人+興奮でぶっ倒れそうになったのだが、そこで放水がぶわーっと来る。
コッタンも書いていたがこれマジで爽快。
むしろ俺達は前過ぎたからか水があまり当たらなくてちょっと不満だったぐらい。
実際は結構濡れていたんだけどね。
45分という持ち時間、それに加えてセットリストのほとんどがイケイケな曲ばかりだったので、
あっという間にKorpiklaaniのライブは終わってしまった。というか先頭から燃焼しすぎだろう俺。
三三五五散ってゆく他のメタラーを掻き分け、なんとかJonneに存在を教えようと思い
「ヨンネー!」と叫んだりするがやはりステージ上には聞こえないようで困る。
そうしているとMetal Messageの管理人(後で判明)が「おいおまえら日本人か」と声をかけて来たので
とりあえず記念撮影。
なにやってんのと言われたのでJonneに声をかけたいんだけど、気づいてくれないと言ったら
いきなりものすごい声でステージに向かい「ィヨヨオオオオンンネエエエエエエ!!!!!!」と怒鳴ってくれた。
おしっこちびりそうな迫力だったので、Jonneも気づいてくれた。
「おーよく来たな」
「あの日本のファンから渡すものとかがあるんだけど」
「んじゃ後でな」
意味ねえ
まぁ後で会えるんだろうと周りを見ていたら日本人らしき人を発見。
正直アジア人は俺達以外いないだろうと思ってたので声をかけてみるとやはり日本人だった。
18歳でドイツに12年?だか居るらしい。神!
キャンプ場にテント張ってるで来ませんか?と言われたので、
次のKrisiunまで時間もあったのでお邪魔させていただく事にした。
途中スーパーで水を買おうとしたらすでに他メタラーどもに買占められていたので、
クソ甘ったるいジュースを買った。
草むらをわーわー言いながら歩いてたら
「草むらにはダニが居て、そいつに刺されると死にますから気をつけてくださいね」と言われる。
ちょwww。
急に舗装道路に戻る俺達。チキンと呼べ。
キャンプへ行くと「イエー!」とかやたら絡まれる。
必殺のジャパニーズスマイル+メロイックサインで切り抜け、テント付近でのんびりする。
よっ!マリファナ吸おうぜ!とドイツ人にとても気さくに誘われるが、
全員タバコすら吸わない人間なので丁重にお断りする。
草むらにだらりと座り、風を感じてるだけでメタルだ。なぜならここはドイツだから。
Krisiunがそろそろ始まるということでのたのたと会場へ戻り始める俺達。
途中モヒが牛と写真を撮る。
俺も撮ろうとしたがトラクターが突然猛接近してきたので諦めた。
さてKrisiunです。
俺は全然このバンドを知らないので適当に座って聞いていたのだけど、いやぁすごいね。
なんていうか無茶なギターとドラムがとても素敵。
ドラムは練習以外はおそらく普段何もしてないのではないかと思うぐらい、速いわ手数多いわでびっくりだった。
速すぎてダレもヘドバンとか出来てなかったけどな。
しかし俺の耳だと曲の違いが全然全くわからなかったので、とりあえずドラムを見て笑っていたら、
ボーカルが「たまになー!俺達の曲をなー!みんな一緒だとか、区別がつかないとか言う奴らがいるけどなー!
そんなことは関係ねえー!俺達はメタルゥー!ドコドコドコ」とかMCが入ったので不覚にも爆笑。
その後放水。
愉快なステージでした。本当にダンケシャン。
その後会場をうろうろしているとKorpiklaaniのバスドライバーに遭遇。
よーおひさ!ヨンネどこ?渡すものがあるんだけどと言うと
「あーんじゃ連れてくるからここで待っててくれや」と言われる。
暇だったので近くのPain Stageを見ているとSkindredというイギリスのインダストリアルメタラーがライブをやっていた。
最初は興味が無かったのだが、モッシュをすごい勢いでしている外人と、黒人ボーカルが
「いいカー!俺の肌をみろー!俺達こそが本当のブラックメタラーだー!」
という人権うんぬん言ってるゴミ団体が聞いたら卒倒しそうなMC、
そしてそれをしゃべりながらシャツを破り捨てようとしたのだけれど
思ったよりシャツが頑丈でボタンしか取れなかったボーカルの様子を見ていたら、
俺もモッシュに加わりたくなって突撃。
人生初モッシュだったわけだがこれがやばい楽しい。
脳天に肘を食らったり、すごい勢いでドイツ人がぶち当たってきたりするので、
体格差故思いっきり吹っ飛ばされたりするのだけれど、なんつーか興奮をそのまま発散してる感がたまらない。
あまりの楽しさにモヒとじろーに「こいよ!楽しいよ!」といったのだが、
汗まみれ埃まみれの俺の姿を彼らは上から下まで冷ややかな目で見た後
「いや、やめとく」ととてもテンション低めに、だがきっぱりと断ってくれた。
絞め殺してやろうと思ったが、慈悲の心で特別に許してやり再びモッシュの中へと身を投ずる。
もう曲なんて聴いちゃ居ないが、なにかにとりつかれたように暴れまくる。
そうしていたらふいに突き飛ばされてコケた。
正直モッシュ中は下にひよこが歩いていようとよけることなんて不可能だし、
なにしろ今暴れているのは俺以外全てガタイのいい外人共なので、骨の一本二本は覚悟するか・・・
と思っていたら、誰かがさっと俺の両脇に手を伸ばし、一気に引き上げてくれた。
おかげで骨は折れずに済んだ。本当にダンケシャン。
そうしているとじろーが「おい馬鹿、Jonneきたぞ」と俺を呼びにくる。
戻るとそこにはJonne。一通り挨拶を交わした後、2ちゃんねるのKorpiklaaniスレで要望が出ていた
日本酒を手渡すという作業を完遂。金箔入りだぜ!と一方的に自慢。
戸惑いながらもオウサンキューとか返事するJonne。
とりあえず喜んでくれたみたいでよかったよかったと思っていると
「おまえ2月にフィンランドに来たときマフラー忘れていっただろう、持って来たぞ」と言われる。
あーはいはい忘れてたよと反応すると、後で持ってくるよと言われる。ありがたいことです。
しかし今は夏真っ盛りなので返されてもいささか困るのですが。
そうこうしてるうちに第3の目玉Northerが始まりそうだったので突撃。
2列目というベスポジを確保して準備万端と思っていると、じろーやモヒがやたら外人に絡まれている。
やつらが俺に相手をしろと押し付けてくるので話を聞いてみると
「日本から来たのか?」だの「Tyrant知ってるか?あれはすげーな!」だの「Wintersun知ってるか?」
等と聴かれ思わぬ交流機会を得る。まぁ珍しいよなこんなところに日本人って。
そのような心温まる交流をしているうちにNorhterが開始。
とりあえずPetriがCDと変わらぬイケイケなデス声を疲労してくれているのでもう大興奮。
だけどみんな色が白すぎです。そして腹が少し出てる。きっとサウナでビールを飲みすぎなんだろう。
2曲目のDeep Insideですでにトリップ気味だったが、
その次にSolution 8からDay Zeroをやったのはかなり意外だった。あとYDKSとHellholeも。
Solution 8は愛聴していたので、合唱できてかなりうれしかった。
8曲目Unleash Hellが終わった後、オーディエンスが口々に「Fallini Star!」とか聴きたい曲を叫んでいたので
俺も「です・あん・りみてっどぉー!」と叫んだら、Petriが「OK!これが最後の曲だ!Death Unlimited!」
とか言い出してもうなんかいろいろ脳内物質が出て大変だった。
そして曲の超重要ポイント「Fuck You and Die」では会場が一体になった瞬間を感じたね。
ReleasedやVictorius Oneこそ聴けなかったけど、なかなか素晴しいライブですた。
その後ぶらりと物販を見に行き、チョーカーやらバッヂを買ったりした。
俺はNortherの時、どこぞのねーちゃんが肩車されながらフィンランド国旗をぶんぶん振ってたのが印象的だったので、
Wintersunにそなえて同じくフィンランド国旗を買った。
どうでもいいがこれ.net OFFの時だかに居酒屋に持っていって無くしたんだよな・・・。
モヒはDark Tranquilityのパーカーを買い次のDark Tranquilityに備えていた。
じろーはぱらついてきた小雨をよけるためにメタルな傘を買った。
俺はDark Tranquilityにさほど興味がないというか、全く聴いたことが無いためとてもどうでもよかったので、
同じく興味がなさそうなじろーと一緒に行動、というかその辺に座り込んでいた。
モヒは前の方の席を確保すべく颯爽とメタラーの中に飛びこんでいき、やがて姿が見えなくなった。合掌。
Dark Tranquilityが始まるまでは時間があったのでのんびりしていると雨が次第に強くなっていった。
これはたまらんとじろーの買った傘に入れてもらい雨をしのぐ。
二人で体育座りしてもカバーしてくれる大きさだったので、のんびりしていたら次第に足がしびれてきた。
ちょっくら血流でも良くしますかとじろーと立ち上がったら、すぐさま外人メタラーが傘の下に飛び込んできた。
あまりの早さに最初はスリかなんかかと思ったが
「イエーイ!日本から来たのか?カンパーイ!」とかビールを構えている姿を見ていると、
なんかいい意味で馬鹿で最高だぜと思い、なんとなく記念撮影をする。
というかやつらはすでにびしょぬれだったのに、俺達の傘に入ってくる必要はあったのだろうか。
その後Dark Tranquilityが始まった。なんか盛り上がっている気がする。
人がかなり絶え間なく人の上を泳いでいる気がする。
ぼーっと見ていると最前列の端っこは空いていたので、じろーともそもそとそこへ行き、
曲も知らないくせに激しくヘドバンをする。
飽きるとそばにいた姉弟メタラーの激しいヘドバン振りを見たりしていた。
Dark Tranquilityは動きすぎだったのでブレブレな写真しか撮れなかったよ。
帰ってきたモヒは汗か雨でびしょびしょだったが、その笑顔は今まで見たことも無い程輝いていた。
だがくさいので俺にはよってこないで欲しいなと思った。
その後は特に興味の無いバンドが続いていたので、物販を見たり、飯を食ったりとダラダラしていた。
なにしろトリのWintersunは夜中に始まるのだから。馬鹿写真を撮ったりし、
なんとかかんとか時間をねじ伏せているうちにWintersunがはじまる時間になったので場所を確保しに行く。
モヒがフライドポテトを買ってきたので、ありがたく頂いているとまわりの外人もいつの間にか一緒に食っていた。
一人のかなり酔った外人と仲良くなった。そしてWintersun開始。
するとこの酔っ払いは誰彼かまわずモッシュというか体当たりを始め、
最初はおだやかに振舞っていた俺もいい加減ウザく感じ始めたので、全力で反対側に突き飛ばしたりしていた。
そのうち奴はダイブをして前方へと流されてどこかへ行ってしまった。めでたしめでたし
さてWintersunはというと初ライブであるにも関わらず、なかなか堂々とした演奏っぷりだった。
Jariはちょっとギターが高くて格好悪かったが、声はあのままで曲も1stほとんど全部だったので
よくよく盛り上がっていたと思う。
というかドラマーはよく再現していたなぁと思ったよ。
そしてあまりに嬉しかったので俺も人生初のダイブをしてみた。
ぶんぶんフィンランド国旗振りながら人の上を泳いでいたら途中で落っこちかけたけど、
なんとか外人パワーに救われて最前列でセキュリティに受け止められました。
協力してくれたメタラー諸君ありがとう。
そしてバンドは締めにWinter Madnessを披露して、盛況のうちにこの日のSummer Breezeは終わった。
祭りの後は結構寂寞の感があったが、他メタラーと写真を撮ったりしつつ、ホテルを目指す。
さて運ちゃんは来てるかな?と到着時にタクシーで降ろされた場所へいくとそこには漆黒の暗闇があるだけであった。
やられた。
しかたないのでおろおろしているとタクシーがするすると眼前に到着。
わたりに船とばかりに乗り込もうとすると「おまえらは****か?」と言われる。意味がわからない。
どうやら誰かが名前指定で呼んだものだったらしい。
すると後ろから来た別の奴がなんとかかとか言いながら乗り込んでいった。そしてまた闇。
しばらくするとまたタクシーがきたので今度こそと思っていたがそれも同じく迎えを要請されたものだった。
仕方ないのでその運ちゃんに「頼む、タクシーを呼んできてくれ」と頼むとガッテンだと快く引き受けてくれた。
これで安心だと思っていたがその後30分近くたってもタクシーは来なかった。
しかたないので会場のほうに戻るとまたタクシーを発見。
おばちゃんドライバーに「タクシー呼んでよ」と頼むとドイツ語しかしゃべれないらしく「ハァ?」という顔をされる。
こっちも困惑していたら近くにいたドイツメタラーがなにやら掛け合ってくれ
「今乗ってるこの人の後にホテルに連れて行ってあげるってさ」と英語で教えてくれた。
まさにダンケシャン。
帰る道中は助手席のメタラーおっさんと運転手のおばちゃんだけが喋っていた。
その後おっさんが降りると社内は静寂に包まれた。
というかとてもなんか気まずい。
話でもしようかとじろーとモヒを見ると死んだようにぐったりとしていたので、俺も黙ってホテルまで耐えた。
ひたすらに。
その後は良く覚えていないがシャワーでも浴びて即行で寝たんだと思う。