Moonreich / Terribilis Est Locus Iste
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Track List :
01 Terribilis Est Locus Iste 02 Bright Morning Star 03 Oppressive Light 04 Chant for a Darkened Gospel 05 The Serpent Presaging Sinister 06 Cursed the Day, Hailed the Night 07 Nos Conspuere in Vobis 08 Hidden Mystical World 09 And a Star Fell at the Fifth Sound
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評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great)) フランスのバンドであるMoonreichの、2013年に発売された顔を前面に押し出したジャケットが印象的で可愛らしい2ndアルバムです。真ん中のあほっぽい顔だけではなく。左右にも横顔が描かれているところもポイントが高いですね。
さて楽曲の方ですが、9曲で58分強というボリュームであり長めの曲もいくつも収録されている大作志向となったアルバムのようです。1曲目のTerribilis Est Locus Isteから8分半を超える楽曲となっています。まずは威勢のよい叫び声を一発かました後に、非常にアグレッシヴな曲展開を聴かせてくれます。あらゆるものをなぎ倒すかのようなヘヴィな音作りと、しっかりと顔を出すメロディアスなフレーズで掴みはバッチリでしょう。
続くBright Morning Starもそのままのテンションでついて行きます。思わず頭を振り回したくなるサウンドの洪水は深みのあるヴォーカルと絶妙な調和が取れていて、聴いていて気持ちよくこの世界観に没入することができること受け合いです。
鋭いギターのサウンドで幕を開けるOppressive Lightは、中間部に語りのパートを取り込んだ3分弱の短めの楽曲です。後半には朗々と歌うかのような語るかのようなヴォーカルが入り、メロディは非常にメロウに奏でられます。
Chant for a Darkened Gospelではドラマティックな絶叫と混沌としたメロディを中心とした楽曲となっており、重厚で暴力的なサウンドを思う存分堪能することができます。どこかに寂しさや悲しさを湛えるかのような後半の展開も荒涼とした世界観を楽しむことができます。
5曲目のThe Serpent Presaging Sinisterでは幾重にも重なり合うヴォーカルと、やはり鋭く鳴り響くギターのメロディラインの掛け合いを緊張感を保って聴くことができます。絶望的なほどの冷たく美しいサウンドに浸りきることができる一曲となっています。
Cursed the Day, Hailed the Nightは物憂げな印象を強く出したギターのアルペジオから曲が始まります。そのまま重々しくヴォーカルや他のサウンドが重なり合い、これまでどおりの厚みを持ってパワフルに展開します。随所に散りばめられた特徴のあるメロディと、畳み掛けるかのようなヴォーカルが非常に気持ちよく響き渡ります。
アルバムも後半になり、7曲目Nos Conspuere in Vobisは勢いを止めずにパワフルに聴き手を圧倒してゆきます。この気持ちよさがこのアルバムの良さであるということを、個々の楽曲がそれぞれ主張しています。中間部と後半部ではスロウかつヘヴィなパートでプレッシャーを与えてくれます。
続いて10分近い大曲である8曲目Hidden Mystical Worldは重々しいスロウテンポで始まり、神々しいコーラスのような歌唱が聴かれます。その後まとめて押し倒してゆくかのようにハイテンポに展開してゆきます。この衰えることを知らない威圧的な空気感から、勇壮さをも感じさせる展開も待ち受けています。後半の畝るようなリズムとメロディも魅力的ですね。更にラストでは民謡のような牧歌的な歌唱となります。
ラストとなるAnd a Star Fell at the Fifth Soundも9分を超えてきます。音数の多いドラムサウンドを引き連れて怒涛のサウンドを最後まで突き付けられます。この顔が訴えたかったことは何であったのか、この枯れたような顔の瞳に映るものは何なのか、この悲しみの込められた表情をした顔の口から出るものは何であるのか、その答えを是非このアルバムを通して感じ取ってみましょう。
アルバムは鼓動のような響きにも感じられるリズムとメロディを伴いながら唐突とも思えるような終焉へと向かいます。印象的な顔だけで語られることの多そうなアルバムかと思うかもしれませんし、実際にどこにでも置いておきたくなる優れたジャケットでもありますが、充実したサウンドを存分に楽しむことのできる一枚となっています。
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Best tune : Cursed the Day, Hailed the Night
繰り返されるメロディと、折り重なる歌唱の響きが絶品の1曲。
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