Anal Blasphemy / Perversions of Satan
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Track List :
01 Rukous Saatanalle 02 Perversions of Satan 03 Vomit the World 04 Perverse Madonna, Filthy Magdalene 05 Lust for Satan (Sexual Worship) 06 Descendants of Lilith 07 Black Cum Absolution 08 Altar of Indulgence
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評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤) 2014年にバンド名をBlasphemous Devotionに変更した、Anal Blasphemy名義としては最後となる3rdアルバムです。2012年10月にリリースされました。もともとMolestor Kadotusさん一人のバンドですので、今作でも一人でレコーディングをしています。
さてアルバムですが、Rukous Saatanalleは30秒程度の短いイントロダクションで不穏なSEを語りのみで構成されています。2曲目のPerversions of Satan、アルバムタイトル曲から勢い良く飛ばしていきます。じゃりじゃりとした音質と邪悪さを十分に感じさせてくれるメロディが聴いていてとても気持ちのよいものとなっています。中盤でスローテンポなパートを挟むという、オーソドックスなスタイルの楽曲といえるでしょうが、後半では何度もSatan!という叫びを聴くことができ思わずガッツポーズをしたくなること請け合いです。
続くVomit the Worldは重々しいサウンドで幕を開け、まさに曲のタイトル通りにすべてを吐き出す楽曲となっています。歌唱だけではなく、呟きのような何かを撒き散らかすかのような音声が入っているのもより印象を強めてくれることでしょう。持ち得るあらゆる力を使い世界そのものを吐き捨ててしまう、実に爽快で清々しい楽曲です。
4曲目のPerverse Madonna, Filthy Magdaleneはゴリゴリとしたサウンドをアグレッシヴに前面に出しつつも、小綺麗なメロディラインを刻みながらノリの良い展開を聴かせてくれています。実にフィンランドらしい楽曲の一つと言ってよいでしょう。フィンランドのバンドが好きであればとても耳に馴染みやすいわかりやすい楽曲となっています。
5曲目に突入します。Lust for Satan (Sexual Worship)ですが、ここまでとは少し趣向が変わり、何やらスロウテンポでメロディを鳴らしながら絶叫が入ってきます。そしてそのまま女性の声が入り喘ぎ声や艶かしい声でのSatan〜!を聴かせてくれるのです。これが複雑に絶叫やその他のサウンドと絡まり合い独特の音楽世界を築き上げています。
アルバムも後半に入りDescendants of Lilithでは男女による語りパートから楽曲は始まります。パワフルなヴォーカルが戻ってきており、迫力のある楽曲を作り出します。そして楽曲の中盤にも再び男女による語りパートが登場し雰囲気を盛り上げます。決して一本調子で進むことのないバラエティに富んだアルバムとなっていることが窺えるでしょう。
7曲目のBlack Cum Absolutionは短い台詞のあとに曲が始まり叩きつけるように、曲名を連呼します。その後も軽快に楽曲は進んでいくのですが、中盤でも後半でも曲名連呼のパートが入り痛快に楽しむことができます。歌詞も全体的に叩きつけるような歌唱と合っていて、聴きながら共に情熱を投げつけることができるでしょう。
ラストとなるAltar of Indulgenceはミドルテンポ主体の楽曲で、ヘヴィに怪しげなメロディを振り撒いています。ここへ来てこのアルバムは終演を迎えるわけですが、じっくりと噛みしめるかのように重く強く語りかけてきます。全体を通して38分ほどの気軽に聞ける長さのアルバムなのですが、大変説得力のある締め方をしていると言って良いでしょう。聴き終わったあとに何が残るのか、是非ともその答えを探してみましょう。
ジャケットも禍々しいデザインで飾っておきたくなる素敵なアルバムですね。
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Best tune : Lust for Satan (Sexual Worship)
異色な楽曲ではありますが、このアルバムの中でもとりわけ際立って邪悪さとエロスを結びつけています。
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