6th
Silva Nigra / Bible Bolestných Nářků
秀作ジャケット

Track List :

01 Intro
02 Čas splatit dluh
03 Kult konce
04 Bible bolestných nářku pt.I
05 Když sestoupilo slunce
06 Bible bolestných nářků pt.II
07 Vyslanec pekla

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

チェコのバンド、Silva Nigraの2013年10月に発売された6thアルバムです。レーベルはSlava Satan Recordsというかっこいい素敵な名前のところですね。ジャケットはフランス人のMaxime Taccardiさんという方によるものですが、白黒でドロドロとした調和を保ったアートワークは部屋に飾っておきたくなる秀逸なものに仕上がっています。

さてアルバムは全7曲で35分程度という標準的な収録時間に収まっており、一曲目は怪しげで神秘的なイントロで幕を開ける構成になっています。続くČas splatit dluhでは哀愁たっぷりのギターサウンドを響かせるミドル〜スローテンポナンバーにチェコ語の歌詞が綺麗に乗っていて彼らの音楽世界に浸りこむ事ができます。テンポはスローなのですが、泣きながらヘドバンをしたくなること請け合いです。中盤からはブラストも入ります。

3曲めとなるKult konceは悲しみを纏ったメロディとブラストで始まります。深淵から聞こえてくるかのようなヴォーカルは歪な美しさに磨きをかけます。曲の終盤におけるブラスト・ギター・ヴォーカルの三つ巴での絶望的な悲哀の情景には誰もが心を揺さぶられることでしょう。

アルバム名称を曲名とするBible bolestných nářku pt.Iは非常に重々しい楽曲となっています。圧迫感の強いオープニングを経て、その全てを受け入れるかのような打ちひしがれたブラストが響き渡ることになります。Part.2との間にはKdyž sestoupilo slunceが入ります。これがなかなかにしてドラマティックな曲で、アルバムの中盤に絶妙な安定感のある華を添えています。ザクザクとしたギターリフやここでも痛切なヴォーカルが楽しめます。

さてPart.2となるBible bolestných nářků pt.IIですが、少し雰囲気を変えて軽快さすらも感じさせる曲調になります。鋭く突き刺さる歌唱と突き進むビートに乗せて音像を投げつけてきます。中盤からの叩きつけるかのようなドラムとダイナミックなヴォーカル、今にも零れそうなメロディを奏でるギターサウンドの調和も見事です。

アルバムのラストとなるVyslanec peklaはギターサウンドで始まり、強烈なブラストビートが被せられます。一切の容赦の無い楽曲をラストに持ってくることで、このアルバムの印象をさらに強烈なものとしています。一枚のアルバムの幕を下ろすに相応しく、この楽曲名の通りにに地獄の使者が訪れるかのようです。そして静かに去っていき静寂だけが残るのでしょう。

アルバム名Bible Bolestných Nářkůは、痛みと嘆きの聖書みたいな意味でしょうか。チェコのバンドらしいざらざらとした荒々しさも感じられますが、悲痛なメロディラインも強く印象に残るアルバムです。もちろんキーボードなどは使われておらず硬派なサウンドを楽しむことができます。長く冷たい冬に、このアルバムはひとつの安定した安らぎを与えてくれることでしょう。

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Best tune : Když sestoupilo slunce

彼らは太陽に何を思うのか。
この曲を聞きながら夜を過ごしてみよう。
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