Horna / Askel lähempänä Saatanaa
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Track List :
01 Alku 02 Askel lähempänä Saatanaa 03 Kunnia herralle, kuninkaalle 04 Kuolema kuoleman jälkeen 05 Yhdeksäs portti 06 Ei aikaa kyyneleille 07 Kärsimyksin vuoltu hänen valittuna äänenään 08 Aamutähden pyhimys 09 Pala tai palvele 10 Ota omaksesi, luoksesi
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評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great)) 2013年に発売された、Hornaの8枚目のアルバムです。オリジナルフルアルバムとしては、2008年のSanojesi Äärelle以来となります。今作ではジャケットもかっこいい白黒になっており、またタイトルにもフィンランド語でSatanの語が入っており我々にとっても、非常にありがたいものです。Hornaは1993年から活動しているので、20周年的なところでこの原点回帰は嬉しいですね。今作では、ヴォーカルはSpellgothさん、ベースはHex Inferiさんになっています。
さてアルバムは、不穏なSE・コーラス的な音像・ピアノと言った混沌としたインストゥルメンタルのAlkuで始まります。短い同じメロディを繰り返すピアノの音色がドラマティックです。意味は”始まり”と言った感じのようです。2曲目のタイトルトラックからはこれぞHornaな硬派なブラックメタルを繰り広げてくれます。このスローテンポから始まりブラストへと続くナンバーにより一歩ずつSatanに近づいていくのでしょう。結構変幻自在なヴォーカルと、北欧的なメロディを奏でるリードギターが印象的ですね。
03 Kunnia herralle, kuninkaalleでは、主への栄光を歌い叫んでいるようです。引き続き存在感のあるヴォーカルと全体的に速めのテンポが緊張感のある曲を作り出しています。死をタイトルに持ってきた続く04でもブルータルな程に力強く、ストレートな楽曲を聞かせてくれています。この辺りはフィンランドのバンドらしい乾いたそして硬質な音作りをしていてとてもわかり易く期待に応えてくれていると言えるでしょう。
9番目の門と訳されるようであるYhdeksäs porttiも、引き続き暴れまわっている野獣の如き様相を呈しています。基本的にこのヴォーカルはがなり叫ぶスタイルの歌唱と、雄叫びのような絶叫を器用に使い分けているのですが、このバランスによって破壊力を存分に発揮した今のHornaの音楽が成り立ってきています。
アルバムも後半に入り、涙を流す時間がないことをタイトルとしているであろうEi aikaa kyyneleilleへと続いていきます。この曲はラスト40秒ほどのヴォーカルの絶望感から流麗なギターのメロディラインが絶妙です。涙が溢れそうですね。苦しみによる絶叫がテーマとなっているのかもしれない、続く07ではこのアルバム随一の軽快なスタイルのサウンドを作り出しています。あまりメロウさは表に出さないアルバムですが、この曲でのメロディとヴォーカルと疾走はやけに気持ちのよい調和を生み出しています。7分近くある長めの曲で中盤ではテンポを落としたパートを配置しています。
Aamutähden pyhimysはモーニングスター(よくブラックメタルのバンドメンバーが持っている武器)の守護聖人という不思議な曲名です。あのトゲトゲしたやつを振り回しているかのように、アグレッシヴに、サディスティックに脳内を楽曲が駆け回ります。後半の雄叫びがこれまた特にかっこいいですね。09は何かの一片でしょうか、非常に難しいところなのですが、楽曲はかなりストレートで荒涼とした冷たい大地を想起させられます。ラストはリスナーへと向けられたヘヴィなギターサウンドが目立つごりごりした曲です。怒涛の音の洪水もあり、だいぶSatanへと近づくことができたのではないでしょうか。
全体を通してHornaは期待通りの良いアルバムを出してくれた、という好印象の一枚です。フィニッシュ・ブラックメタルのなかでも特に硬派なアルバムとして是非手元においておきましょう。残念なことに日本のAmazonではまだ売っていまいようですが、ドイツのアマゾンから買うことができます。もしくはレーベル(http://www.w-t-c.org/)からも買うことができます。
空から除く巨大な目玉という素敵なジャケットとともに、今年の夏を過ごしましょう。
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Best tune : Ei aikaa kyyneleille
かっこいい叫び声で始まる終始テンションの高い気持ちのよい1曲です。
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