2nd
Grima Morstua / Magnam Mortem Transcendere
天使ちゃん二人。

Track List :

01 Ouroboros, Alma de la Tierra
02 Frutos de Radiante Gnosis
03 Entidades Miasmicas
04 Reverencia a la Serpiente de los Tiempos
05 La Secreta Forma de Shemhamphorash
06 Fuente de Toda Oscuridad
07 Llaves a Sitra Ahra / Outro: S.D.

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

アルゼンチンの4人組バンドさん、2010年5月リリースの2ndアルバムです。約3年ぶりにリリースされました。メンバーは、ベースのInkiuvoさん、ドラムとバッキングヴォーカルのGlasthredさん、ギターのVentriz Grimoriumさん、ヴォーカルのSerpienenevさんの4人です。

久々に邦訳を作る遊びをしてみましょう。今回はスペイン語です。

超越〜壮絶な死〜

01 ウロボロス〜地球の魂〜
02 果実〜燦然と輝く啓示〜
03 実体〜ミアスミカス〜
04 蛇神〜敬意を?〜
05 シェムハムフォラシュ〜隠された72神の呪文〜
06 源〜闇の世界〜
07 鍵〜黄泉の国へ〜

いい感じに厨二っぽくなったかと思います。
スペイン語以前に…固有名詞やラテン語やアラム語や出てきて難しかった。せっかく調べたので簡単に解説すると、タイトルがまずラテン語。3曲目のミアスミカスは意味不明なので、音訳してしまった。シェムハムフォラシュは、モーゼが唱えた呪文で72の神。最後のSitra Ahraはアラム語で、カバラーというユダヤ教の言葉らしいです。

では曲へ。

始まりは不穏なSEからで、そのままの雰囲気で各パートの演奏が始まります。打ち鳴らされるリズムとギターのリフが特に不気味です。これほどの呪われそうなメロディを作れるのもかなりの才能なのではないかと感じさせられます。そして始まるのがスペイン語のヴォーカルです。これが聴き始めこそ違和感があるのですが、少し聴いてくると絶妙な混ざり具合が癖になる音感です。そもそもスペイン語の響きは独特なものがあるので、突っ走る楽曲と主に突っ走ると不思議な歪みを産み出しています。ヴォーカルのタイプは中音域で声をひねり出すような感じです。

2曲目へ行っても同じ調子で、暗くどろどろした冒涜された神秘性を紡ぎ出しています。後半で繰り返されるドラム連打のリズムが非常に奇怪であり、メロディを伴った呪詛のような歌唱と共にロウなスタイルで盛り上げます。曇り空の下などで聴きたいですね。そして曲の最後に打ち鳴らされる鐘の音とよくわからないSEがさらに気分を盛り上げてくれること間違い無しです。

続く3曲目はこれでもかとばかりにかき鳴らされるギターを押しのけて入って来るヴォーカルが実に混沌としています。そして中盤では非常に痛々しい叫び声を存分に発揮しています。ここまでくるとこのバンドの持ち味と言って良い、曲とちょっとずれた感じのする歌メロも快適に思えてきてだいぶ嵌まりますね。後半での不穏なギターリフはここでも聴くことができ、非常に気持ち悪いのですが再び登場する繰り返される鐘の音とじゃらじゃらする音、そして儚げで美しいコーラスが全てを優しく包み込みます。

4曲目はジリジリとしたトレモロなイントロから重々しい歌唱パートへ傾れ込み、微かなブルータリティをのぞかせます。後半の入り乱れて狂おしい程の展開を魅せるリズムも素敵ですね。かなり面白い音造りをしている曲です。じっくり聴いていると各パートがそれぞれ主張しあっていて、更なる混沌を引き出しているのですね。あーあー唸って終わります。

次の5曲目では叫び声から始まって、一気にヴォーカルが苦しみをぶちまけながら爆走します。メロディの使い方が変わった雰囲気を醸し出しています。そして、今までになくギターサウンドとヴォーカルが激しく絡み合います。この対比のバランスは実に良く考えられたものであり、聴いている側も唸らされること請け合いです。ラストでは遂に声のみでの呪詛のようなものが現れてしまいます。

6曲目は後半に行くにしたがって獣の群れの如き凶暴さをむき出しにした演奏が冴え渡ります。ヴォーカルの叫びや歌唱は然ることながら、激しいリズムは躍動感が十分であり、圧倒的な力を解放して世界を飲み込もうとしているかのようです。最早ここまで来ると勢いだけでは無い、数々の思念を持った音像があらゆる角度から迫りかかっているのです。必ずや情景が頭の中に浮かび上がることでしょう。

そしてそのままの情念を持ってラストへと至ります。今まで通りの闇の中での混沌とした痛々しく苦しい感情を投げつけるだけ投げつけてアルバムは終焉へと向かってただ進んでゆきます。そして一旦はそこへと辿り着くのです。そして、後に続くのは微かなメロディと叩き付けるサウンドなのです。ここに至るまでに何を得、そして失っていったのか。はっきりと知る術はおそらく残されてはいないでしょう。しかし、最後のサウンドがいつまでも耳に焼き付くのです。

この一つの悲しくも辛い世界をあなたも是非味わってみてはいかがでしょうか。無慈悲な世界はいつでも扉を開けて待っているのです。

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Best tune : Reverencia a la Serpiente de los Tiempos

軽快なブラストビートが冴え渡るこの曲は一緒に歌いたくなってしまう程のノリの良さも併せ持っています。れっつ、ぶらっく!
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