5th
Dazzle Vision / キラリ
天使!

Track List :

01 キラリ
02 REASON
03 Like I'm not real
04 バラバラ雨
05 ∞
06 Miss Cinderella 2
07 One for all, All for one
08 12月
09 ゼロ
10 CONTINUE
11 月と太陽
12 桜

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

マイマイことヴォーカルのMaikoとベースのTakuroを中心としたバンド、Dazzle Visionの2011年6月発売の5thアルバムです。2010年のto the next以来ですので1年ぶりとなりますが、ギターは2010年の夏過ぎに変わってるので、今のメンバーでの初アルバムとも言えます。

アルバム先行シングルであった、REASON、桜も入っています。

一曲目はアルバムタイトル曲のキラリですが、これがDazzle Visionらしい曲でゆったりしたテンポで始まってからの丁寧に歌い上げるエモーショナルなマイマイのヴォーカルと後半で登場するスクリーム、ほんとうにDazzle Visionらしい静と動の同居した躍動感のある一曲です。ライブでの情景が容易に浮かびます。ワンマンが楽しみでなりません。ストレートな歌詞を日本語で歌うところがとても好感度が高く、アルバムの最初としても実に良く練られていると思います。

続いて3月発売のREASONは激情のバランスが絶妙なドラマティックな一曲。この位置にこの曲を置いていることで、アルバム前半の緊張感が非常に高まっています。次のLike I'm not realもスクリームから始まる感情を叩き付けたヘヴィなサウンドの唸る曲であり、歌の持つエネルギーと起伏を見事に昇華して流れを作っています。スローテンポ且つ重厚なバラバラ雨までがアルバムの前半といって良いでしょうが、ここまでの力強く繊細に構築された世界観に気が付くと引き込まれています。

∞は語りをサウンドに乗せた一つの転換点でしょう。伝えたいことをそのままメッセージにしているように感じます。Origin Of Dazzleのインストゥルメンタル?SE?をちょっと思い出したり。

雰囲気を少し変えて、Miss Cinderella 2は少し不思議な感じのする大陸風のメロディと、良い意味で古くささを感じさせるサウンドが耳に残るノリの良い楽曲になっています。歌メロにしてもバックやアウトロの演奏にしても、ウイスキーを飲みながらバーで聴きたくなるようなイメージです。

One for all, All for oneはとびきりキャッチーなサビと、そのサビの歌詞がなかなかおもしろく素敵で印象的です。6曲目に続いてバックのメロディもどこか親しみを感じさせてくれます。12月もこれまたDazzle Visionらしい、喜怒哀楽の混ざりあった劇的なスクリームと切々と歌い上げるパートの伴った一曲です。イメージ的には冬なのかもしれませんが、何回も聴き返したくなる歌詞がやっぱりここでもらしさを発揮してます。ゼロもそうですね。ほんとにそのまま歌ってしまっています。歌詞、言葉の大切さの本質を鋭く付いていると思いますし、それが無二の魅力でもあります。ゼロは激しさもあり、これまたライブで聴くのが楽しみな一曲です。

淡く流れる短いCONTINUEはその中に端的に想いを綴っています。∞と対比して聴くのも一つだと思います。

月と太陽は曲の中でそれぞれに思いを寄せた歌詞をスローテンポな楽曲に乗せて綴り歌っています。この両者は古代から様々な文化で取り上げられている普遍的な題材ですが、そこに自己投影をしている曲になっています。そして最後は2月発売のシングル、桜です。これまた日本では様々な取り上げられ方をしていますね。マイマイは舞い散る桜と生きる意味を重ね併せて曲に言葉を載せました。6拍子のリズムに想いを込めた、スケールの大きなバラードです。

と、後半2曲はスローテンポな楽曲でした。アルバムを通して聴いてみると、42分程のよくできた構成であることを強く窺えます。今までもそうであったように、決して派手な作品ではありませんがオリジナリティの溢れる日本産ロックの新しい名盤です。今までのDazzle Visionが好きだった人はもちろん、まだ聴いたことの無い人にも是非触れてみて欲しいアルバムです。メロディとサウンドのセンス、マイマイの感情溢れる人間味の豊かなヴォーカルと絶品です。

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Best tune : キラリ

アルバムの一曲目で全てを鷲掴み、インパクト十分アピール十分満足度100%の決定打です。一曲一曲が自己主張していていいアルバムですが、破壊力のある出だしを造り上げたキラリはやはりアルバムタイトルトラックとして相応しいと思います。そして、この曲とラストの桜との対比も面白いです。
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