4th
Teratism / Via Negativa
聖母様

Track List :

01 Iesous Khristos Cambion
02 My Wintery Embrace
03 He Descends
04 From Serpent Loins, Poison Life
05 Necrofuge
06 Hagion Pneuma, Apochoreo
07 A Trillion Slain
08 He, Wretched One
09 I Am the Darkness
10 Satanos Thronos Esti (Via Negativa)

評価 … ★★★★★★★☆☆☆(秀盤)

アメリカの5人組ブラックメタルバンド、Teratismの2010年発売4thアルバム。前作からはちょうど2年程。

メンバーは

Gilles de Rais:ベース
Desekrator:ドラム
Murder:ギター
Domitian:ギター
Wrath:ヴォーカル

Gilles de Raisさんはフランス人ですか?Domitianさんは昔のローマ皇帝ですよね。Desekratorさんは…ノルウェーにそんなバンドがいたかな…。MurderさんとWrathさんはもうよくわかりませんね。ちょっと使ってみたかった単語なのでしょう。といっても、このバンド2001年結成らしいので、もう10年ぐらいやってるのですけど。

さてこのアルバム、ほんとにこの人達Satanとトレモロリフが好きなんだなあというのが大変よく伝わってきます。最初から最後までトレモロリフのオンパレードです。加えて、ヴォーカルも含めて全体的にエフェクターを通してるような感じの荒涼としたざらつき音質です。アメリカのだだっ広い荒野を邪神共が暴れ回っているかの様相です。邪神て誰だよ。

とにかく邪悪な神秘性を仄かに漂わせながら、荒々しく暴虐的に闇を切り裂く巨大な影の中でどす黒い血飛沫をあげながら蠢いているような世界観です。ずーっとじゃりじゃりしてます。ぎゃあぎゃあ叫んでいるけれども、あまり鋭利さを感じさせないのは独特のセンスだと思う。歪んで歪みまくって薄くも無く厚くも無く、軽くも無く重くも無い非常に神経を刺激する絶妙なラインを突いているブラックメタル。

ジャケットのチープさはある意味かなりプリミティブであるが、奏でられる音楽はアメリカらしくかなり洗練されていると言ってしまえる。泥臭さをうまく取り入れていて、確実に生きた音を届けている。ブラックメタルってなんか暗いってイメージはあると思うけれど、このアルバムの暗さは生きている暗さ。閉じ込められた冷たい世界というよりも、荒れ果てた怒りの世界を想像させられる。その先にどんな死が待っていようとも。

絶望を感じた先に見えるものは…混沌とした憤怒への誘いであってもよいのかもしれない。

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Best tune : Necrofuge

テンポはゆっくりなんだけれど、ドラムが走ってみたりなかなかおもしろい曲。ラストの絶叫も怖くて良い。
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