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Battle Dagorath / Ancient Wraith
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Track List :
01 Spirits of Winter Darkness
02 Empire of Imperial Shadows
03 Where Darkness & Frost Prevails
04 Spellbound Requiem of the Winter Night
05 Kingdom of Black Abyss
06 Ancient Spectre of Oblivion
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評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤) アメリカ出身のブラックメタルバンド、3年ぶりの2ndアルバムです。前作『Eternal Throne』でも山ジャケットでしたが、今作はもっと寒そうな山です。ブラックメタルらしい白黒ですし。
さて、今作は全6曲で66分強と大作指向なアルバムとなっております。そして曲名を見て頂ければわかる通り、『Winter』だの『Darkness』だの非常にわかりやすい寒々とした音楽を奏でています。USAの、それも西海岸カリフォルニアのバンドだけれどもノルウェーぽいよ。
Vinterriketさんというキーボーディストのいる三人組なのだけれども、キーボードが前面に出てこないところが非常に好感が持てます。ほんのりうっすらと被さっている感が、ブラックメタル的音質に磨きをかけており良い仕事をしている印象です。シンフォニックブラックは苦手なので、この程度だととても耳に馴染みます。05のイントロなど特に出だしを綺麗に飾っています。
ギターとドラムはShadowVoidさんという人なのですが、ライブではどっちを演奏するのでしょうか。とにかくドラムは薄っぺらく、ギターは無慈悲なトレモロと繰り返しリフという超絶王道パターンでプリミティブな世界を造り上げています。相当エフェクトかけてるんじゃねーのぐらいに暗くてたまりません。ハイハットがどうのスネアがどうの言ってる場合じゃないですよ。
最後に、もう一人のギターとベースとヴォーカルを担当するのがBlack Sorcerer Battleさんですが、だからライブではどっちをやるのだね！この人のヴォーカルが歪んだ猛吹雪の中の地獄絵図の如き音世界で、まさに奈落からの叫び声と言うに相応しい凄まじい絶叫を絶えず轟かせています。この声が実に刺すような痛みを伴って楽曲の中核をなしています。
ブラックメタルとしては、邪悪さよりも寒々しさを徹頭徹尾追究したかのような音楽です。薄暗いとかではなく、真っ暗なドラマティックさの表現を見事に成し遂げています。○○タイプ、というよりいろいろな先人達の音楽性を貪欲な程に取り入れて、消化して綺麗に仕上げています。ジャケットから想像できる通りの全く期待を裏切らない暗黒美と言えるでしょう。
ここまでやるかというぐらいのプリミティブ・ブラック音質とヴォーカルが非常に特徴的な一枚です。インストゥルメンタルな01を除くとどの曲も絶望的なまでに長く、悲痛に溢れかえっています。とにかく暑くてたまらない貴方、暑くても寒くても構わず極寒の世界に浸りたい貴方、そして神秘的な雪山に魅せられてしまった貴方、もう待っているのは古より続く光の届かない世界だけ。安心して聴ける夜のお供に。
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Best tune : Spellbound Requiem of the Winter Night
曲名がまず素敵すぎる件！曲的には中盤から終盤にかけての盛り上がりの良さが一際際立った一曲だと思う。
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