Hell Militia / Last Station on the Road to Death
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Track List :
01 Always the Same 02 Born Without Light 03 Unshakable Faith 04 Et in Inferno Ego 05 The Ultimate Deception 06 Fili Diaboli 07 Shoot Knife Strangle Beat & Crucify [GG Allin cover] 08 The Pig That Became a God 09 Last Station on the Road to Death
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評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great)) フランスのブラックメタルバンド来ました、2010年4月発売の2ndアルバムです。かなりロウなプリミティブブラックをやっています。
1曲目はSE&語り。英語です。おどろおどろしい雰囲気で始まるまさにジャケットのイメージそのまま。実にわかりやすくて素敵です。そしてすぐに始まる語りパートによってアルバムの幕開けが宣言されます。人生の厳しさを説いているようです。
そのまま曲に移り、これまた非常に様式美じみたトレモロリフ主体のスローパートから軽いドラムのブラストパートへの転換、というこのジャンルのブラックメタルの定石をしっかりと踏襲しております。ヴォーカルもしっかりとしたブラックメタル的呻き声を発しており、誰でも安心して聴けること請け合いです。
更に、曲はどれも基本的にテンションが高く張り詰めた印象で、凶暴に邪悪さを発散させています。アンダーグラウンド感満載でこれまた安心確実なクオリティと言えるでしょう。やるべきことを丁寧に、確固たるセンスを伴ってやっているのだから当然ですね。白黒メイクの彼らの中で、ブラックメタルを昇華させて放っていることが窺い知れます。
直接的なメロディアスさによる美的追求ではなく、音世界全体を持ってしてのプリミティブな姿勢による美意識を真に感じ取ることができる、良質なアルバムであると感じることができるでしょう。07などでは威勢の良い曲頭の雄叫びも聴くことができます。
07はGG Allinのカバー曲ですが、GG Allinってのはアメリカの悪名高いパンクロックミュージシャンです。どういう人間かは過激すぎて書けないので、知りたい人はググってください。曲の方はスローテンポで感情を叩き付けていますが、違和感無くアルバムに溶け込んでおります。ちょっとしたギターソロ的なものさえもお見舞いしております。続く08もスローナンバー。ブラックメタルに有りがちな長い曲です。こいつは一癖も二癖もある陰鬱な曲に仕上がってます。アルバム終盤で盛り上げないで落とす、ってところが実にブラックです。後半のドラムパートやそれに続くギターパートの無限ループ感は思わず笑みが零れてしまう人も多いのではないでしょうか。
フランスからの良質なブラックメタルでした。痛々しくも儚く心の奥の闇を抉られるような鋭いプリミティブサウンドに是非溺れてみましょう。
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Best tune : Last Station on the Road to Death
アルバムタイトルを被せた、アルバムラストを飾る楽曲。ヴォーカル主体でミドルテンポに突き進みます。この曲でも寂し気なギターソロ的なリフを聴くことができ厳かに終焉を迎えます。
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