栗林みな実 / miracle fruit
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Track List :
01 miracle fruit 02 secret moment 03 氷の結晶 04 one drop 05 stage 06 静寂の腕輪 07 Luminous Beat 08 虹色の永遠 09 空のこたえ 10 Beautiful Blaze 11 planet earth
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評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤) 日本のシンガーソングライター栗林みな実の2011年3月発売の6thアルバム。オリジナルアルバムとしては、2006年12月発売のfantastic arrow以来、4年振りの2枚目となります。アニメソング・シンガーとしての知名度が高い彼女ですが、今作ではシングル曲は一切無く、既発曲もカップリング曲2曲です。作詞/作曲は全曲栗林みな実本人によるものであり、オリジナリティを存分に堪能しましょう。
1曲目miracle fruitは、新たな始まりを予感させるに相応しい歌詞と、アップテンポな曲調に伸びやかな歌唱でアルバムの幕を開けます。まさに『序章』です。続くsecret momentは軽やかなAメロから、ダイナミックなメロディでパンチのあるサビが非常に印象的なライブ映えしそうな曲です。飯塚氏らしい編曲といえるでしょうが、大サビでの張りのある歌唱と続く旋律も美しい。更に3曲目、氷の結晶は曲の出だしから切ないメロディと煌びやかなサウンドで畳み掛け、『冬』をモチーフにした曲です。力強さと切なさを同居させた、まさに栗らしい艶のある栗声がぴったり嵌まる名曲になってます。メロディラインの美しさも際立っています。
次いでone drop。雰囲気をちょっと変えてデジタルビートを強く効かせたアップテンポナンバー。後半のギターソロから大サビでの歌唱が聴いていて非常に気持ちの良い曲です。この曲もライブで盛り上がりそうです。stageは逆にサウンドをシンプルにして、歌唱を非常に大事にしていると感じさせられる、曲調は落ち着いているのだけれど込められたメッセージは非常に力強く伝わってきます。次のステージ、静寂の腕輪ですが、こちらはシングル『あんりある♡パラダイス』にカップリングとして収録されていた王道バラード。あんりある♡パラダイスが超王道アニソンだったことを考えると、該当シングルでも良い対比となっていましたが、このアルバムに於いてもこの6曲目というアルバムのちょうと真ん中に綺麗に収まっています。全曲stageからの流れが非常に良いです。歌詞にも注目してみてください。
さてここから後半7曲目Luminous Beatはキャッチーなイントロから始まるアルバム随一のポップナンバー。歌詞も非常に前向きでキュートです。かっこよくかわいらしく歌い上げています。続いて、虹色の永遠はキラキラした暖かみのあるバラード曲。サビは非常にオーソドックスな盛り上がり方ですが、見事に邦楽に留まらずポップスの様式美を貫いています。Cメロ〜大サビ〜曲の終わりが美しすぎます。反則ではないかと思います。
9曲目、空のこたえは本アルバム2曲目のカップリング既発曲。こちらはシングル『sympathizer』に収録されていました。軽快なサウンドと軽快な歌詞と軽快な歌唱が混ざりあった軽快な曲…です。この自由度の高いテンポの良さはなかなかシングル曲では聴けない方向性からのアプローチ。ここにきて10曲目はある意味『アニソン』らしい楽曲、Beautiful Blazeです。重みのあるギターのフレーズと、とてもわかりやすい曲構成、そして破壊力のある耳に残るサビメロと歌詞を持ったアツく明るい曲です。
ラスト、planet earth。荘厳なストリングスのサウンドから始まりキーボードのサウンドに乗せて優しく歌い上げ、語りかけます。余す事無く全ての想いを込められたアルバムの魂とも呼ぶべき全力が込められたほんとに素敵な歌詞と歌声のシンフォニーです。歌いたいこと、伝えたいことその全てをアルバムを通して、そしてらすとのこの曲に込めて届けてくれた、最後まで聴いて胸がいっぱいになること間違い無し。
とにかくこのアルバム、流れがいいです。それに久々に制作されたオリジナルアルバムということもあって、自由に曲を造り歌っています。栗林みな実の『歌』が好きな人も、『声』が好きな人も、シングル曲しか知らない人も、まだ聴いたことの無い人にも是非とも聴いてもらいたい一枚に仕上がってます。彼女の幅広い才能とセンスに身を委ねてみてください!
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Best tune : 氷の結晶
このタイプの切ない曲調とそれに見事に調和する歌唱は栗林みな実の真骨頂だと思います。
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