評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great)) 待ってました!
不作だなーと思い続けてたメロディックパワーメタルへの情熱を再び刺激してくれたのは、デモ時代から期待をかけていたこのバンドCardiantだった。
フィンランドというと冷気の迸るようなKeyであるとか鬱げな曲調といったものが特徴として大体のバンドにみられるのだが、そこにいわゆるクサメタラーが期待するような「クサみ」を加味したバンドというのは、フォーキッシュな雰囲気をもつバンドを除くとメタル先進国を自他共に認めるかの国にしては驚くほど少ない。だがこのバンドはデモ時代から見せていた才能を、このデビュー作で文字通り花開かせることに成功してり、キラキラとしながらクサメロを撒き散らしつつ手数大目で激しいドラムで突っ切る系だ。印象としてはメロディも含めて1stのDreamtaleあたりに近いといえるがよりアグレッシヴだ。端的にいってしまえばStratovarius, Sonata Arcticaの翼の元ですくすくと、その大いなる影響を受けながら現れた新世代なのだが、その存在はフィンランドのメロディックパワーメタルというと優等生なのだがどこか小奇麗過ぎてイタリアのものよりガツンとはこないなと思っていた俺にとっては本当にうれしいものだ。
Sonata ArcticaのDestruction Preventerを彷彿とさせるソロバトルに加えて、唐突な疾走にニヤリとさせられるRoyal Stranger, その流れを損なわないキャッチーな疾走曲Falconeye, Kamelotの疾走曲を思い起こさせるゆったりと空間が広げられていくイントロが美味しいタイトル曲Midday Moon, ヴァイオリンをバックに従えながら怒涛疾走をかましサビでは曇り空を飛翔するような雰囲気にやられるLight 'n' Smoke, デモ時代の秘宝の双璧キラーチューンAlready Known, To Beらはいい場所に配置されていていい刺激になる。In AngerもEtyde Lightも速いぞ!To Beはデモと違ってハモりの箇所が新たに加えられていてもう悶絶!悶絶ゥ!っていうかAlready Knownも始まった瞬間にガッツポーズしてしまったよ!俺は!俺が俺だ!おまえも俺で!よしきた!かるけっぴ!おまけみたいな言い方だけれどもヴァイオリン入りのバラードThe Hackneyed Dreamもいいぞ!
ギターは相変わらず微妙だが、ドラムがその穴を埋めんとしてか知らないが、なかなかタイトで疾走感、高揚感の組み立てがいい感じプレイをしている。Cozy Powell好きの人間とのことで個人的に今後も期待している。残念だったことは、このアルバムではデモ時に歌っていたちょっと艶のある声が特徴的でお気に入りだったTuomas Helanderがすでに脱退していたため、Janne Saksaという人物が歌っていることだろうか。この人はざらついたハスキーボイスで下手ではないからありがたいのだが、Tuomasの声だったらさらに違った印象(=もっと良い)だっただろうなというのが個人的にちらついてしまうのがなんか残念というかなんというかって感じ。ちなみに現在はTommi "Tuple" Salmelaというボーカルにさらに代わっている。
最初悪名高きUnderground Symphonyと契約したぜ!とか発表してたからもうだめだと思っていたのが、日本盤が出たことでこうして聞けることが出来てなによりだ。クサいフィンランドというまさに正統派クサメタルバンドとしてこれからも期待できると思う!ここ最近で一番のオススメだなこりゃ
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