3rd
Dreamtale / Difference
呪怨 from Finland

Track List :

1. Lost Souls
2. Wings Of Icaros
3. New Life
4. Lucid Times
5. The Mirror
6. World's Child
7. Sail Away
8. Fly
9. Secret Door
10. We Are One
11. Green fields
12. Powerplay

評価 … ★★★★★★★☆☆☆(秀盤)

デモや1stを世に送り出すと"ポスト・ソナタアークティカ"などとの呼び声が上がったためかどうかは知らないけど、2ndではその衰退ぶりまで模倣してしまった彼等の3rd。

前作における主立ったダメ要素をおさらいすると
・オリジナリティを追求したのが裏目に出たのか、メロディがつまらないものが多い。
・ヴォーカルが蓄膿患者。
と、まぁこんなところでしょう。

点数を見れば大凡の見当は付くと思いますが、上記のダメ要素は飛躍的に改善されています。
先ずは前者ですが、やってくれました。アルバムのところどころで聴き覚えのあるフレーズが顔を覗かせています。そんなに多くはないけどね。しかしそれにも増して今回は(恐らく)彼等のオリジナル(と思われる)メロディが秀逸なので、2ndを聴いて「コイツらはもうイラネ」と思った方々も気を取り直して聴いてみることをオススメします。

さて後者はと言うとですね、待ちに待ったまともなヴォーカルが入りました。彼の名はJarkko Ahola。名前に“Aho”が含まれているのを見て喜んでいる人は(私も含め)いいかげん大人になりましょう。そんなAHOla氏ですが、歌唱の方でも私たちを歓ばせてくれます。少しハズレてないか?と、感じてしまう箇所も若干ありますが、殆ど気にならない程度のことなので問題ではありません。声質はVision Divine
の激ウマハイトーンヴォーカル、Michele Luppiと似ています。彼ほど巧いワケではありませんが、Micheleはどちらかと言えば柔軟な歌唱で聴かせるタイプですが、Aholaは非常にパワフルな歌唱で突進力があります。高音域のコントロールは相当なモノで、突き抜けるようなハイトーンは芯もしっかりしているので、聴いていて気分がスッキリします。きっとバンド側も2ndにおける鼻声野郎の鬱憤を晴らすべく加入させたのでしょう。ホントにスッキリ(・∀・)

楽曲紹介の時間です。

1は開始から25秒で聴覚的デジャヴュを体験できます。アノ人たちのアレですね。程良く疾走していてサビとその後のソロがステキ。つかみはバッチリ。2はイントロからクサクサな哀愁に満ちた疾走曲。1より速くてクサいのでメロスパーさんたちはこちらから聴くのも良いかもしれませんね。3は一転してメロハーテイストの佳曲。どっかの雑誌で「こういうのも出来るんだと意外だった」とか言われてましたが、その通りですね。4は7分半もある大曲。中盤ではシンフォニックなパートもあったり。こういうアレンジが出来るのなら今後は楽曲の幅がもっと広がりそう。5はロック・バラード。これも良い。そして6で大疾走。間違いなく本作のキラーチューンの1つ。私なんぞはイントロで昇天しました。いや、曲調こそ確かにSonata Arcticaっぽいんですが、この曲とか聴いてるともうコイツらSonata Arctica超えてるんじゃねぇの?とか思ってしまう。なんせヴォーカルがDreamtaleのが凄いもん。メンバーの話だと、ライブでこそ力を発揮するカリスマらしいし。最高じゃないですか。続きまして7はアコギが光る切ないバラード。ヴォーカルの力量が顕著に示されています。8はヘヴィーなロックナンバー。歌メロが渋くてカッコイイ。落ち着いたテンポの2曲に続くのはアップテンポな9。キャッチーな歌メロなので私もつい風呂場で歌っていたのですが、それがいけなかった。あとで気付いたんだけど歌詞の内容は紛れもなく結婚初夜。今更取り返しは付かないので近隣の住人に語学堪能な人間が居ないことを祈りつつ、ビクビク怯えながら余生を全うしたいと思います。そんなキラーチューンです。でもこれサビメロはきっと借り物ですね。だってドラムのテンポも同じだし歌詞を置き換えてもバッチリ歌えちゃうんだから疑う余地もないよ。ソロもそうだ。そんなキラーチューンでした。10は荘厳なコーラスから始まり、「このごろ流行りの女の子」とか「お尻の小さな女の子」が目に浮かぶKeyのリフに続いて疾走開始。ここいらでメロスパーさんたちに殺し文句でも吐いておくか。

疾  走  率  高  い  で  す 。

イントロで段階的に速くなっていったかと思えば歌メロが始まると一旦ゆっくりに。そしてまた段階的にスピードアップしていきます。起伏があって良い。そして最高速に達するサビは悶絶必至。これはヤバイな。コーラスが見事に映えている。この曲をこの位置に持ってきたのは正解だと思う。ラストはバラード。つ~かバラードも多いね。でもどれも出来が良いからよろしいんじゃないですか?つまらんミドルチューン入れられるよりよっぽど良いよ。んで、今作のバラード群の中で個人的に一番良いなと思うのがこの11。「アコギ+笛=涙」の方程式が成立しました。最後のアコギとヴォーカルだけの部分はまさしくアルバムのラストであることを訴えかけてきます。12は先行シングルにも収録されていたボーナストラック。今作がもしコンセプトアルバムだったなら雰囲気ぶち壊しで邪魔になってたかもしれませんが、特にコンセプトアルバムというワケではないので良いんじゃないですかね。うん、嫌いじゃないな。

てなワケで、どうぞ安心して買って下さい。最近のSonata ArcticaにうんざりなメロスパーさんたちにはDreamtaleへの乗り換えを推します。

by 匿名レビュワー

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Best tune : We Are One

6, 9も良いけどやっぱりコレは別ですね。どんどん嬉しい方向に展開が進んでいくので笑いが止まらん。
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