Kiko Loureiro / No Gravity
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Track List :
1. Enfermo 2. Endangered Species 3. Escaping 4. No Gravity 5. Pau-De-Arara 6. La Force De L'Ame 7. Tapping Into My Dark Tranquility 8. Moment Of Truth 9. Beautiful Language 10. In A Gentle Way 11. Dilemma 12. Feliz Desilusão 13. Choro De Criança
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評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤) ブラジルが誇る至宝ギタリストにしてAngraのリーダーであるKiko Lureiroの2005年リリース1stソロアルバム。本籍バンドを持つメタルギタリストのソロというと、方向性的にバンドでは出来ないソフトなライトフュージョンやフレーズ構築よりもインスピレーションに重きを置いたセッションモノが多い傾向ですが、我等がキコ様はやはり一味違った!基本路線は94年にデビューして以来積み重ねてきたAngraのそれです。そしてAngraの枠だけでは収めきれないギタリストとしての深い味も良く染み出ている印象であり、過去の経歴から当然期待される要素と純粋にミュージシャンとしてギターという楽器にアプローチした側面を、構築性の高いメロディを媒介に凝縮したメタルインスト史上の傑作であると思います。
前半は『AngraのKiko Loureiro』らしい変拍子をフックに用いたメタリックな楽曲をインストの形で消化した内容で、まんまそれな#1~#2の連発に、続く超Siam Shadeタイプのメタルフュージョン#3をはじめ、ソフトロックで始まるも段々重みを増し練りこまれたメロディセンスと一体になる様がおいしい#4を挟みつつ、続くクサメロ超満載の前半のハイライトたるラテンメタル#5「Pau-De-Arara」等々、プログレ許容派メロディック・メタラーのツボを激しく突付きまくる内容になっています。
後半はギターをモロ前面に出したメタルな前半に比べると聴こえて来る全楽器の柔和なアンサンブル形成に重きを置いた思われる内容になっており、タイトル通りタッピングのみでパーカッシブなアコースティック楽曲を仕上げた#7や、土着民による本格ラテンミュージック#9等、普段のセッションにおいて彼が気の赴くままに奏でているのであろう直情的でかつ気負いを感じない楽曲が連なります。
が、気分良く#10まで聴いて#11も同じ気分でゆったりしていると
うほ!
キタ━━━ヽ(*゚∀゚*)ノ━━━━!!!
大疾走マンセー!!
いやはやこの男、ホント油断も隙もあったもんじゃないw おかしいとは思ったのですよ、雰囲気といいブレイクといい完全に「Nova Era」のそれだったから。んなもんだからスネア表打ちの疾走が始まるのかとワクワクしてたら、裏打ちで目いっぱい大疾走!燃え上がった期待を更にそれ以上で返されちゃもう降参ですわ(*゚∀゚*)
==⊂⌒~⊃。Д。)⊃ピュー
そんな嬉しい誤算にトキメいたまま大興奮落ち着き切らぬうちに、アルバムは切なさを感じさせるアコースティックインスト2発で幕を閉じます。
冒頭の繰り返しになりますが、ファンの求めるAngra的要素とミュージシャンとして純粋に音楽を追求したい欲求という、ともすれば相対してしまう恐れのあった要素を綺麗に融和させた稀に見るメタルインストアルバムです。それもこれも普段からAngraにおいて奔放に音楽をヤレていて、しかもそれが世間に受け入れられているというのが大きいのではないでしょうか。立ち所の難しいギタリストソロにしては妙なほど迷いがなくて、そして清々しい。 ~どみね。~
追伸:ドラムは鬼神Mike Terrana(Rage)だよーん!
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Best tune : Pau-De-Arara
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