2nd
Concept / The Divine Cage
意外と近代的です、Divine Cage

Track List :

1. New Perspectives
2. Faithless Truth
3. Don't Let Me Die
4. My Cage
5. Out of Fashion
6. A Fate Worse Than Death (of Reason)
7. Changeover
8. Catching Dreams (Out of The Cage)
9. Lost In A Sigh
10. Under My Care
11. My Divine Embrace
12. Forget Me! (Japanese Bonus)

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

イタリアン自称プログレッシヴメタルバンドの2nd Album。自称はそうであるわけだが、1stを聞いた人ならご存じの通り極めてLabyrinthあたりに酷似したメロディックパワーメタルに近いアプローチを計っているバンドだ。前作はPower After Power等キラーチューンもありつつもやりたいことが思うように表現できていないというイマイチ感がつきまとっていたが、今作はそれを払拭した一作に仕上がっているように思う。

自分にとっての欠点はプログレとメロディックパワーメタルの融合の拙さが流れに棹さすようなものであったことと、Keyの装飾が曲によっては足りないが故に生じるショボさであったわけだが、前者はそのプログレ部分が疾走の流れに挟まれることによりタメとして生かすことが出来ており、それらの連結が非常になめらかで、違和感を感じさせずコンパクトに楽曲を仕立てあげられるようになった事が肝だ。わかりやすい例としてOut of Fashionあたりがあげられる。またイタリアの聖地New Sin Studiosでレコーディングからマスタリングまですべてやったことにより音質も良くなりショボさ解消に一役買っている。後者はこのバンドの要であるKeyが提言した通り(笑)大活躍しているのが非常にでかい。前作で強烈に我々に印象づけた、バックでピアノを鳴らす手法やイントロで自在に飛び回るような雰囲気作りも健在だし、イタリアだなぁと思わせるような使い方をする曲、フィンランド的な使い方をする曲、スぺーシーな雰囲気とまさに変幻自在だ。1stでもそのセンスの良さを存分に見せつけてくれていたが、今作は出番も増えてその才能の開花ここに極まれりといったところだ。Andrea Mastroianni、まさにクサメタリックな味付けの天才といえる。いい人だし

そしてさらに大きなポイントとして、このバンドの要をしっかりと支えているDavid Folchittoのドラミングも特筆したいところだ。実はDavidは1stであるReason And Truthをリリース後バンドから脱退していたおり、2ndはLuca Urbinatiというドラマーが叩く予定であったのだが、そのLucaのバンドメンバーとの不和とWebでの公開投票(またの名を晒し(笑)によってDavidが復帰、既に録音済みのドラムをわざわざ新しく録り直すという事があった。そんな紆余曲折を経て録音された彼のドラミングはNew PerspectivesOut of Fashionで使われているAメロでのバスドラ表踏み、スネア裏拍で疾走しつつハイハットを左足で一瞬開けリズムチェンジが入るとハイハットを裏に・・・という点や、随所に見られるライドいじり、クラッシュを裏に・・・といった全体にわたる細やかさと、猛烈な疾走具合の共存がクサメタルにはあまり見られないものなので個人的に非常に気に入っている。しかし時間が無かったためかは知らないが、前作と比較すると疾走曲でのオカズにちと甘さが見えるのは残念。次作で改善して欲しいかな、これは。

アルバムはNew Perspectivesが始まった瞬間にConceptの風が一気にほとばしる。非常にElegy of Truthと作風が似通っており今作も明るい雰囲気でアルバムは幕を開ける。この曲それぞれのパートの連結が非常になめらかで前述した通りの成長を感じられる1曲だ。Faithless Truthはまさにイタリアンクサメタルという感じのちょっと遅めの疾走曲だが、歌メロがなかなかにクサクサであり、加えてCメロ後に切り込んで来るバイオリンもたまらん。音色がちょっと安っぽい感じなのもクサメタル的にオッケーだ。Don't Let Me Dieは鬱げなミドルテンポなのだが歌メロをギターがなぞるところが恐ろしくダサショボく苦笑させてくれる愉快な曲。シネマティックなイントロで幕を開けリズムパターンがミドル~ハイと変わるMy Cageをはさみ、バッキングのKeyがたまらない起伏に富んだ疾走曲Out of FashionNew Perspectivesにも出演してる女性ボーカルとのツインボーカルでドラマティックに展開されるバラードA Fate Wolse Then Death (of Reason)ChangeoverCatching Dreamsはあわせて1曲であり、後半からは堰を切ったように疾走し始めるわけだがChangeoverでのイタリア語の歌唱も不思議とはまっていて良い。.netの連中が諸手をあげて喜びそうな、カップも使ったライドいじりが心憎い部分疾走曲Lost in A Sign、ABメロは転がるKeyが、中盤ではバイオリンのハモりがガッツポーズもののUnder My Love、バラバラに展開された各楽器が一気に集結して壮絶に突撃をかける疾走曲My Divine Embraceと続き、そして2004年度ランク入り確定の日本盤ボーナスForget Me!とたいへん良質な出来映えだ。

ボーカルにクセがありそれで好みが分かれるとは思うが、それを超えると本来クサメタラーには敬遠されがちなプログレを上手く取り込んだ本作品を堪能できると思う。個人的にはもうちょっと歌メロを練って欲しいのと疾走曲のイントロの引き出しの幅を増やすと良いかなと思うが、現時点ではそこまで問題になるほどではないでしょう。今後どうなっていくのかが気になる有望なLabyrinth系イタリア新人であります。つぅかこの手のタイプって意外と少ないんだよな~

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Best tune : Forget Me!

日本、研究しつくされてます。クサい哀愁のギターから一転、疾走へとなだれ込み哀愁のI ask you to forget my nameのサビへ・・・。すべてがドラマティックに展開されていきます。終わり方まで手をゆるめることなくクサくてたまらんばってん。これだよ、これ。ハァハァ。Concept、可愛いよ、Concept

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

前作に於いては「Elegy of Truth」や「Power after Power」といった、自称クサメタラーを名乗るものなら悶涙級の出来栄えを誇るスピードチューンを引っ提げつつも、その2曲があまりにも強烈過ぎたためか、他の楽曲があまりにも平凡・もしくはそこそこ佳作どまりという事態に陥ってしまった気がしないでもない、彼らの待望の2ndアルバム。

まず基本的に彼らの場合、プログレ方面にベクトルを置いてるわけですが、今作は前作にも増してプログレを好まない人にも比較的聴き易い程度の絶妙なバランス感覚に仕上がっているんではないか?と思います。聴き流していて、あっ飽きそうかな?ってなる前に絶妙のタイミングで緩急を仕込んでくるから、ワクワクゾクゾクするような昂揚感がまた生まれる・・・ってゆう好循環の図式が出来上がるっつぅかそんな感じ。

まず#1・New Perspectivesからしてそれは味わえるかな。もうイントロからいってElegy of Truthのような期待感が炸裂するし、実際見事に裏切られることなく疾走おっぱじめるわけですが、清涼&哀愁の融合感を醸し出しつつもポップな色合いに染めてあげているところが、ちょっと新しいConceptを感じさせてくれるかも。相変わらずピアノを流用したKeyの音使いが何ともニヤけさせてくれるし、ヴォーカルの声が紛れもなくConceptとゆう安心感を誘います。ちょっとだけど1曲目からいきなり女性ヴォーカルなんかも登場するし、展開の巧みさに鼻血。続くは#2・Faithless Truth。1曲目とは打って変わってこちらは弦楽器+泣きのクサクサ疾走仕様。全くタイプが違います。A~Bメロ付近の刹那系メロディがタマりません、ってゆーかクセェェェェエ!間奏のヴァイオリンがヤベェェェェエ!この先手必勝2曲によって、おかげさまで既に鼻血濁流状態。どうしよう。つぅか、あんまりダラダラ解説してると長くなるから、少し素っ飛ばします。

#5・Out of Fashion。キターーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!! 間違いなく今作のキラーのひとつです。コイツァ別格。Concept節は健在であることを再認識させてくれるでしょう。メインコードの裏をなぞるKeyの使い方とかほんっとやべぇ。ハァハァ;;
#6・A Fate Wolse Then Death (of Reason)は男女ツインヴォーカルの感涙系バラード。歌メロがもぅ切なすぎて切なすぎて・・・と思いきや間奏が予想だにしない展開でなかなかに面白い。#7~8は、ふたつでひとつの楽曲。刹那モダン系でミドルテンポな曲かと思いきや、途中からSkylark的爆走展開が拝めます。キャーーーッ♪(嬉)
そして#11・My Divine Embrace!!またまた別格扱い昇天疾走キラー・チューンの登場です。コイツもああぁぁあああううぅうおああああやばい。つぅかConceptの疾走曲ってオモロイね。例えがいいのか悪いのかワカランですが、車のエンジンかけてブオォーンブオォォーン!って吹かすあのドキドキ緊張感やワクワク感がイントロ、クラッチミート&シフトアップGo!で疾走開始。んでコーナー差し掛かる一歩手前でシフトダウン、切り抜ける部分で再び加速してゆく爆走・・・みたいな。そういうきっちりした一連の流れがConcept流疾走曲の作り方なんだよなぁと思う。味だよね、味。味のあるバンドって素晴らしい。因みにボーナスの#12・Forget Me!も悶絶爆走曲なのだが、上記で例えたのとはちょっと作りが違うかな。まぁそちらについては他のレビュワーが書くかもしれんので割愛しよう(笑)

とにかくだ。音はまだしょぼさを隠し切れない部分もあるが、緩急を自在に操る展開やKeyの大活躍っぷり、そして何よりも個人的に歌メロそのものがドラマティックに格段に好くなっていると思う今作は、Conceptを代表する名盤認定ですな。疾走だけでなくバラード等も含め聴き応えのあるクサ・アルバムに仕上がってると思います・・・と褒めちぎりまくるくらい気に入ったので神盤とかを付けてみる・・・と思ったけどやっぱ仏盤どまりにしとく。うへへおほほ(゚Д゚)

【ひ】

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Best tune : Out of Fashion

Concept流疾走曲のひとつ。飛び跳ねる感覚の緩やかなイントロ→疾走開始と共に哀メロを基本としたA~Bメロ→再び緩やかなアクセントを一瞬取り入れてブリッジで盛り上げ→Keyとギターで音階上げて更に広がりを見せるサビメロ・・・と、どこまでも俺のツボを捕らえて離さない曲。難点を挙げるとすれば、終わり方をもうちと工夫してほしかったかな。でもまぁハァハァ。そういった意味では、My Divine Embraceなんかも同じくらいお気に入りなんだけど。こちらは浮遊感溢れるKeyが特徴だ。っていうかベスト選ぶのに結構苦労した、気が、する、よ

評価 … ★★★★★★☆☆☆☆(良盤)

YudaiくんがきっとFairytaleよりもリスペクトしてるバンドConceptの2ndアルバム。
前作もこのサイト見るような人達がキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
とか言ってそうな曲を収録して話題になったような気がする。
個人的には別に印象に残ってなかった。むしろジャケットが好きだったな。あれは良かった。

んで、前作をあんま良く覚えてないので今回比較はできないわけなんですが、
そこらへんはひでぽんとか他の人のレビューを参考にしてください。どうせ俺は役立たずさ。

で、今作。一昔前っつーか、典型的なイタリアンメタルらしいクサい感じの曲が多い。
クサいのは一向に構わないのだが、走ってる最中にいきなり止まるのが多いわけですよ。
そこらへんがこのバンドの味なんだろうけど、突っ走ってるのが大好きな俺にはちょっと物足りない。
さらに疾走曲の出来が凄く良いだけに、スロー・ミドルの曲が余計につまんなくなるという逆効果。
あとは音質が微妙。こもってる感じがする。もっとスカッとする音が良かったなぁって思う。
でもこれは前作も感じたことなので、そこらへん改善されてないなーって感じました。
ボーカルも微妙やね。勢いで押す疾走曲なんかではさして気になら無いんだけど、
やっぱり遅い曲、6曲目みたいな曲だと物足りなさを感じちゃう。

と、まー文句はいっぱいあるんですが、それを補うだけの良さが曲にあるんですよ。
1.2.5.8.11.12がお気に入り。ようは全部速い曲w

で、個人的には音質を改善して欲しいので今どこのレーベルにいるのか知らないけど、Dragonlandのように大手に引っこ抜かれて、これでもかってぐらい高音質で作ってほしいですね。
その際Dragonlandのように疾走曲が減ったら俺はYudai様経由でバンドに文句を言いますけどねw

とりあえずこのサイトを見るような人は買いでしょう。
日本盤出るかわかんないけど(ボーナスってのがあるからどっかから出るんだろうけどw)、
出た暁には是非買いましょう。俺も買うよきっと。うん、きっと。いや、龍二タソに買わせるかも。

てなわけで貴重な音源アリガトウYudai様。

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Best tune : Forget Me!

日本に生まれてよかった。そう思った。ありがとうconcept。
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