1st
Armageddon / Crossing The Rubicon

Track List :

1. 2022
2. Godforsaken
3. The Juggernaut Divine
4. Astral Adventure
5. Funeral In Space
6. Asteroid Dominion
7. Galaxies Away
8. Faithless
9. Children Of The New Sun
10. Into The Sun

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

Christopher Amott(ex- Arch Enemy)によるプロジェクトの1997年リリース1stアルバム。文字通り”Death”なメタル以外の何者でもなかったCarcassに、メロディックアプローチを舵取りすることによってデスメタルの歴史を塗り替えることとなったMichael Amottが、実弟のChristopher Amottと共にArch Enemyを結成し記念碑「Black Earth」を携えてデビューしたのが1996年。『悲哀』の2文字が似合う極上のフレーズセンスをCarcassにおいて実践してきた兄Michaelに注目が集まるのは必然で、当時無名のChristopherに対する認知は「弟も頑張ってるな」程度のモノでありましたが、1997年にリリースされた当作品を境にChristopherへの認知を誰しもが新たにせざるを得なくなっていった・・・ってそれもう7年も前なのかぁうーむ。。

そして世間にそれほどのインパクトを与えた当作品は、Arch Enemyが作ったメロデスのオケにプログレデス的アヴァンギャルド性と、全盛期のMichael Schenkerをも凌ぐChristopherによる唯我独尊レベルのギターソロが、凄絶なまでに煽情的な形で融合したメロディック・デスメタルであり、当時19歳に過ぎなかった若者が世のあらゆる激情をギター1本で表現したかのような奇跡は、時代を超えて支持されるに足るモノなのではないでしょうか。メロデスがメロデスとしての枠をまだ設けずに、デスメタルに向けられるメロディックアプローチ全てが新しかった時代に、後世に名を残すアーティストがそのフィールドに舞い降りたら、リリースから7年経った今においても”追走者オラズ”の作品が産み落とされた。
それだけのことなのかも知れないのだけれども。

超私的極論だけど、メタルが好きなのにこのアルバムのギターソロ聴いて何も感じない人は不感症の気があるんじゃないかと思ってしまうのレス。一曲一曲についてはCynicに影響を受けているのであろう変拍子系リフ展開を聴かせたり、ベースが様々なフィルターを通して様々な音を聴かすミステリアスな曲(#9)が配置されていたり、と一言でメロデスとは言い難い面もあるのですが、それらの要素すら「あ、これってメロデスだね。」と瞬間的に納得させてしまう程の求心力を持ったChristopherのソロ、機会があったら聴いておかない手はないと思う。今でこそ手詰まり感のあるArch Enemyではありますが、彼等が真に創造的だった90年代後半の音源は今もなお輝きを失ってはいません。
~どみね。~

Amazonで買えるバンドの作品一覧を見る

Best tune : Astral Adventure ~ Funeral In Space

突進力溢れるアグレッシブなメロデスチューン。盤石の体制で泣かせてくれるソロには涙が止まらない。そしてアコギをバックにバイオリン・フルート&エレキギターが泣きの三重奏を聴かせる#5へと繋がる流れは今作の、いやさメロデス史上に残る名演で、心の震えを抑えようにもどうにも出来ません。
トラックバックURL
http://www.xametal.net/impressions/tb.php/538
Topへ戻る

Xametal.net Review Script Ver 8.0-