Vanitas / Lichtgestalten
哀れ電球妖怪

Track List :

1. Endlosschleifen
2. Lebenslauf
3. Tausende Quadrate
4. Sammelleidenschaft
5. Missverstanden
6. Re_Inkarnation
7. Kontrollverlust
8. Menschen..Gott..Maschinen
9. Vergangenes Kehrt Wieder
10.Relatives Freisein

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

ヨーロッパはオーストリア出身、クサ感涙系ゴシック・デスメタルバンドVanitasの約3年ぶりとなります3rdアルバムが、満を持して登場です。いや、満を持してかどーかは知りませぬが、少なくとも俺の中ではそうだった。名盤2ndに於いては、パイプオルガンだのフルートだの弦楽器だのと盛り込み、叙情的もしくは扇情的ともいえるGtの殺傷力溢れるメロディやMaria嬢の美声フィメール、壮麗でシンフォニックな味付けにセンス溢れるJohannes氏のKey・・・と、泣きクサ盛り沢山な一枚だったから。「期待すんな」というのが野暮というもの

で、今作は?というと

まず、ドラマーチェンジが施されている。前任のドラマーもまぁ悪くはなかったが、多少のもたつき感や叩けていないところが随所にみられたのは確か。しかしこの後任のドラマー氏は、結構パワフルに叩く傾向が見られるし、少なくとも前任よりはウマイと思うので、その点は一安心といったところか
それから、音楽性で少し変わったかな?と思わせる点は、モダン的要素なKeyを随所にふんだんに取り入れてるということ。決してシンフォニック的な要素が失われたという訳ではなくて、コレはバンドに幅を持たせるための進化と捉えていいのではと思う。具体的には、#2のような曲が最も顕著に表れているだろうか。そしてそれに伴いかどーかは存じませぬが、よりGtの活躍する場面が増えたということ。#1のアップテンポな曲や#2とかでは、結構ヘヴィネスにガンガン弾きまくっている光景が聴きとれる。それから、メロデス風な曲があるということ。#5の曲なんかは、叙情味・泣き溢れるちょっと攻撃的メロデスな曲で、バックの若干控えめながらも寒々しいKeyが曲に彩りを添えるところに好感が持てるなぁ
そしてココからが重要。今作品は、前作の10倍ぐらい泣きの弦楽器陣を盛り込んでいる!ということに尽きる。コレは個人的に大いに大歓迎である。それも、#2以降は必ずどこかで登場するといってよいくらいだ。アルバム後半に行くにつれて登場頻度もアップしてくるので、僕のような弦楽器好きは堪ったものではありませぬ。強いて悶絶ポイントを挙げるとすれば、#7#8の流れとか、#10のイントロ弦楽器乱舞などといったところか

とまぁ褒めてばかりいる様だが、もちろん問題点もありまして。前作に比べて各曲の歌メロが少し弱いかなぁって感じがする点。Vanitasは比較的ゴシックに良くみられる鬱系な方面なところがあるから、若干致し方ないかなとは思うが。。。まぁ例えば、前半は盛り上がるのに後半退屈とかまたその逆も然りとか・・・チグハグな出来になってしまっているのが惜しいというか。まぁそうゆうのが少々あるのですよ。あと別に問題点じゃないですが、Maria嬢の得意分野であるフルートが一切登場しないというのが何とも悔やまれる(泣

えー今回は岩盤に留まったのだけれども、高品質でイイ作品であることに変わりはないので、1stや2ndいけた人ならまず期待は裏切らないでしょう。基本は変わってないし、バンドとしての成長の痕跡も所々垣間見られるしね
まぁ彼らって、決して万人に親しまれるようなバンドではないと思うんだけど、泣き鬱系ゴシックに少しでも興味があるのなら、一度は聴いてみてほしいバンドだと個人的に思うわけですよ...ホントに

【ひでぽん】

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Best tune : Menschen..Gott..Maschinen

前半の切ないアコギや間奏の扇情力溢れんばかりのGtソロ、そして殺傷度満点「泣きの弦楽器」が後半にかけてデスVoのAndreas氏と共に畳み掛け、一気に盛り上げる悶涙級の名曲。ハンカチ必須ものだ。こーゆうのを聴くと、「あーやっぱりVanitasなんだ…」ってゆぅ安心感に浸れるね
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