Haggard / Eppur Si Muove
。。。(今日の晩御飯なんだろ)

Track List :

1. All ìnizio è La Morte
2. Menuetto In Fa-Minore
3. Per Aspera Ad Astra
4. Of A Might Divine
5. Gavotta In Si-Minore
6. Herr Mannelig
7. The Observer
8. Eppur Si Muove
9. Larghetto / Epilogo Adagio
10. Herr Mannelig (Short Version)

評価 … ★★★★★★★☆☆☆(秀盤)

前作はノストラダム、今作はガリレオ・ガリレイをモチーフに扱う等、16世紀の実在した人物を描くドイツのノンフィクション系オペラティック・ゴシックメタルバンドの、2004年リリース3rdアルバム。バンド+フルオーケストラの体制を取っており、正式メンバーだけで総勢17人という印税分配で揉めてそうなバンドです。

音楽性としては完全Therionタイプで、一般的な中世のイメージをそのままに具現化したオーケストラサウンドが、フォークの要素と共に展開美溢れるミドルテンポの楽曲上を踊ります。そして声のカスレが老朽化した石造建築のような不気味さを持つデスボイスと、悲劇性を助長する男女オペラボーカルの掛け合いが楽曲内で”点”ではなく”線”として展開されている辺り、3rdに来て円熟の域に達したバランスの良さを受けます。小曲の#2・#5・#9以外全てボーカル入りのバンドとして生まれ変わったのも今作の特徴。この手のは雰囲気モノに終始するか、デスボイスとノーマルボイスのどちらかが楽曲のドラマ性とミスマッチを起こし、ラストまで心地よく聴ける物は少ないのですが、コイツラァ一味ちゃいまっせ。演奏者同士での楽曲コンセプトの統一が取れているのか、楽器一つ一つが音を媒介にバンドを生かす為の主張をし、クラシックパートとメタルパートがダルみを見せずに共存する様がモノクロの絵として浮かんでくるかのような音のミルフィーユ。

時折疾走パートで聴き手を魅了する一面も持っており、展開の上手さがとにかく目立ちます。表現力と存在感の両面においてオペラボーカルを食う勢いのデスボイスも秀逸。音を通して陶酔感を味わえるゴシックならではの味が詰まった好盤です。

好き者は、どっかで聴いとくが、吉。
ボーナスとして98年のWacken Open Air Festivalでのライブ5曲と、
1st収録曲「In A Pale Moon's Shadow」のPVが入ったDVDもついてるよん。
~どみね。~

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Best tune : Of A Might Divine

展開の上手さが一番光る8分に及ぶ楽曲。舞踊大会のごときクラシックパートと、その後の楽曲主題となるメタルパートに至る中盤の流れが特に良かった。
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