X Japan / Fan's Selection
最強だったあの頃

Track List :

Disc 1
1. 紅
2. Silent Jealousy
3. Endless Rain
4. Rusty Nail
5. Tears
6. Art Of Life

Disc2
1. Dahlia
2. Say Anything
3. Forever Love Single Ver
4. Longing~跡切れたMelody~
5. Scars
6. Crucify My Love

評価 … ★★★★★★★★★★(神盤)

東の辺境日本が誇る、メロディック・スピードメタルバンドの2001年リリースベストアルバム。辺境マニアの方なら垂涎必死の現地語メタルです。メタルの特徴である整然とした構築美、シンガリング必死の覚えやすいメロディ、そして楽曲が秘める潤しいほどの情念を狂おしさと共に爆発させる凄絶なスピード感、、メロディック・スピードメタルファンが求める全ての要素を2枚の円盤に極限レベルで具現化させた作品集ここにあり。

圧巻なのはドラマー兼ピアノを務めるYoshikiが半生を振り返るうち29分の形になったというDisc1 #6「Art of Life」。表面的・精神的にも雅なオーラを纏うオーケストラサウンドとメタルの持つ屈強のダイナミズムを同居させたこの曲は、今でこそ珍しくはないオーケストラとメタルの融合を1994年の段階でメロスピバンドが実演していたという意味合い以上に、何よりメロディの素晴らしさに心を打たれます。繊細な心の持ち主の喜怒哀楽が生な形で封入されることにより、1つの楽曲が芸術作品へと昇華されていると言えば適切でしょうか。言葉にならない、すると陳腐になりかねない危うさを持った作品です。その危うさが音楽としての枠を外れる15:07~23:40の狂気のピアノソロは人によっては蛇足になりかねませんが、音を通して作曲者の"命"の息遣いまで伝わってくる瞬間をメロスピで体験出来る数少ない傑作なのではないでしょうか。

彼の"命"の息遣いは他の楽曲においても同様に封じ込まれています。辺境だし。。。と偏見だけでパスするにはあまりにもったいない作品集。泣きと情念の詰まった至珠のバラードDisc1 #3・#5、Disc2 #2~#4、#6に酔いしれ、その他多勢を占める2004年の今聴いても新鮮ですらあるメロディック・スピードメタルチューンを堪能し終えた時、貴方の心には何が刻まれているだろうか。
~雷赤酒   のフリをしたどみね。~

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Best tune : Dahlia

「Art of Life」は本文で触れたので繰り返し聴く事の出来る「Dahlia」をここではレビュー。疾走に乗る神々しくすらあるメロディ、ギター2本の兼ね合いによって構成される1つのリフ、ソロ前のブレイクパート・オーラス突入前のピアノブレイクにより生み出される極限のドラマティック展開、、1996年の作品ですが、今においてもこれを超える疾走曲が存在するのかどうかすら怪しい至福作品。メロディにおいてはBメロ・ブリッジ・サビのどれを取っても身震いするレベルなのですが、エメラルド基調の版画に赤のスプレーを薄く振りかけたかのような悠然な美を想起させるBメロに至高認定。

なお映像作品「The Last Live」では同パートの神々しさとライトアップが100%のシンクロを魅せ、感動を越えて立ち竦んでしまう程の虚無感を生むパートになっています。
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