MCD
Agonizer / World of Fools
ウヴォァー

Track List :

1. World of Fools
2. Whatever
3. Say Love
4. Cain The Slayer

評価 … ★★★★★★☆☆☆☆(良盤)

フィンランドのメロディックパワーメタルとはちょいと趣を異にしつつもそれに近いバンドのデモならぬEP・・・らしい。Century Mediaとの契約の話が一時期持ち上がったほどの、実力派!といってしまうといささか過剰な期待を招いてしまうので書かないけれど、とにかくそういう話があったりしたのですよ。故あってキンさんよりデモのAnthem of Agonyを以前に頂いておりましたが、それに比べて順調に本作は成長具合が見られるモノになっております。ツインギターにKey入りの六人編成で紡がれる音楽は良く練り上げられてるなとスッと感じさせる、ありがちな旨味をKeyに頼り切るタイプというわけでなくツインギターがしっかりと絡み合うことにより折り出す、雲の切れ目がなかなか見えないような鬱目の雰囲気が耳底に気持ちよい一品

「フィンランドだなこいつは」と思わせる冷たい水滴が滴るがようなKeyで幕を開ける1はサビで大きく盛り上がる曲で雰囲気の統一感が最後まで持続するつかみはOKなオープニングチューン。続く2はなんといっても2:24から始まるピアノとベースとドラムのリムショットだけで奏でられるアダルトな雰囲気が印象に残る曲で、そこの終わりのKeyの輝きがまだ消えないうちにサビが戻ってくるという、このあたりに素質を感じさせます。基本的にこのバンドのKeyはシンセで空間の色染めに一役買ってるわけですが、この曲においてはピアノのフレーズの差し挟み方がフィンランドのKeyらしい心憎い演出を醸し出しております。3はタイトルだけ見ると、2の間奏をこんどは全体にちりばめたバラードな予感が激しくするわけですが、その大方の予想をガッツポーズでぶちこわす「Say Love!」という大変男らしいサビです。ボーカルのModi(not Mohi)の声が後述いたしますが大変にハスキーでかっこよいので、なんだか、すごく、素敵です。4は時を得顔にはしゃぐリズム隊で怪しく幕を開けます。この曲はさんざん焦らせておいて所謂疾走が3:54よりこのEPの中では初めて数秒だけですが始まります。なにげにキャリアに裏付けされた演奏がとても上手いのでTwilightningのような錯覚を一瞬覚えてしまうほどです。

と、だらだら書き連ねてみましたがこのような感じでこのEPは構成されております。気になる点は二つ。4曲だけなのにちょっと似たような雰囲気が多すぎねぇか?ということと、デモのAnthem of Agonyでも書きましたがボーカルですね。雰囲気とメリハリに関しては、ミドルテンポ、8ビート速め系の作りはかなり上手だという他の所謂メロスピと呼称されるバンド群と大きく一線を画す能力を持っていることをこのEPで証明しているので、バラードと疾走を2曲ぐらいを取り入れてアルバムを作ったら凄く良くなるのではないかなと思います。とすると強いて言うのならばボーカルですかね。曲に良くあっているしデモよりは成長しておりますが、もう一伸びが欲しいところです。厳密に言うとピッチコントロールの甘さが露呈している気がするので、そこの箇所がデビューまでにどれほど改善されるかが気になるところですかね。あとものすごい個人的な要望を言うと徹頭徹尾疾走している曲を聴いてみたいですね。TwilightningDelerium Veilのようなカッチリした出来になりそうで楽しみなのですよ。期待値+1でこの評価。早くデビューできると良いね

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Best tune : World of Fools

ギターのほどよい刻み具合とフレーズが美味しい。結構残るサビのリズムパターンが変わる終盤に絡んでくるクリーンボイスが、デス声でもないのになんだか凄い爽やかな印象が
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