1st
Lunatica / Fables &Dreams
音楽性を表現するようなジャケット

Track List :

1. The Search Goes On
2. Avalon
3. Elements
4. Fable Of Dreams
5. Still Believe
6. The Spell
7. The Neverending Story
8. Hymn
9. Silent Scream (2004)
10. A Little Moment Of Desperation

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

美麗なジャケをひっさげて登場したのはスイスのシンフォニック・ゴシック・パワーメタルLunaticaであります。このバンド以前発掘スレッドというものをもって、xametalinks version netというのを作成していたころ、訪問者のどなたかに「も~ちょいスピードあればメロスピ」といって紹介して頂いていたが、すっかり忘れていたころに出ていたたぶん2nd album

ボーカルが女性でありそこまで速度にくくってないという点があるため、近いバンドとしてはEdenbridgeが挙げられるが、このバンドはより冷厳とした雰囲気を持っている。その雰囲気を醸し出すKeyの働きが実に印象的で、冷たい雰囲気の構築には欠かせないピアノの音色という直接的な表現や、冬の大地のような奥行きを思い浮かばせるようなシンセのここぞといった時の差し挟み具合、ときには電子音をまで使いゴシックメタルのような耽美的で退廃的な雰囲気をよく表現しているのがとてもポイント高い。10なんかピアノで奏でられるソロまでカッコイイ。凄いぜAlex(鍵盤奏者名)そしてこのKeyがぐいぐい曲を引っ張っているのもEdenbridgeとまた違う点である。浮遊感のある歌メロと、やや表現として無機質に歌い上げるAndrea嬢の組み合わせはよくマッチしており、さらに時折見せるはかない歌い方もハァハァするには十分な魅力を備えている。誤解を恐れずにいえば、進化してシンフォニックメタル系へのアプローチを計ったEvanescenceのようであると言えるかもしれない

いわゆる僕のようなキティガイメロスパーに好まれるようなツーバスドコドコ、スネア裏打ちォゥィェ系の曲は無いが、冷たい雰囲気が終始ただようKey主体の楽曲とそれに乗る練り上げられたと思われる良くできた歌メロはなかなかオツなものである。ただしどれもレベルが高いのは結構なのだが、欲を言うとどんな人にもアピールするようなズバ抜けて突出した楽曲が欲しかった!!!まぁそこまで求めるのは酷だと思うけど、聞いてると実際それを期待させてくれる潜在能力をひしひしと感じ取れるんだよね。どれも良いんだけど特にお気に入りは24689といったところかな。多いな。まぁそんなかんじにしっかり作り込んであるので、繰り返し長く聞いてられるということは非常な高ポイントであります。あとは曲の引き出しが増えればもっとおもしろくなると思うので、今後にも期待していきたい実に伸びが期待できるバンドですな~

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Best tune : Hymn

Andrea嬢とKeyだけというところから始まるわけですが、そのときに感じる歌の雰囲気とAメロBメロを通過したサビでの雰囲気の違いが好き。基本は暗い雰囲気を纏いつつもどこか明るいという、個人的に雲の絶え間をもれ出づる月の光、そんな情景があいそうな曲です。

評価 … ★★★★★★★☆☆☆(秀盤)

みんな絶賛に次ぐ絶賛なんで、揚げ足を取ってみようという根性の悪いレビュー。

このバンド、確かに演奏力・曲のアイディア共に非常に高いレベルにあって、特に妖艶な踊りを展開しながら歌っていそうなフィーメールボーカルの表現力と、秩序感漂うバンドを優雅に包み込むKeyは絶賛に値すると思う。そのKeyの一人舞台たる4分に渡るSE#1は、南極物語でも始まりそうな壮大なオーケストレーションの乱舞に引き込まれるんだけど、でも同じ曲の連続に感じてしまう引き出しの少なさ故アルバムが進むにつれ当初の感動が薄れていってしまっているのが残念。後半の方がメロディも展開も良い曲多いのに、前半で飽きてしまうっていう悪循環。

比較対象はやっぱEdenbridgeNightwishになるのかな。2ndアルバムにしてこれだけのモノ作り上げてるのにイチャモン(・A・)イクナイ!!けど、猛烈に高いポテンシャルを持っているが故にあと一歩強烈なオリジナリティとなり得る何かが欲しいと感じるのが正直なところ。t.A.T.uEvanescenseと少しずつメタルに接近している流行事情を考えると、ひょっとしたら次はEdenbridgeLunaticaタイプのバンドが世界を圧巻する日が来たり、、ってな淡い期待すら抱いているだけにね。でも#6「The Spell」~#8「Hymn」や、#10「A Little Moment Of Desperation」みたいな押し引きとメロディの清廉さが融合した曲はホント良いよ。前半の印象さえもうちょい良ければ仏付けてたと思う。
~どみね。~

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Best tune : A Little Moment Of Desperation

楽曲内の押し引きの掛け合いが優れたメロディを媒介に展開美として昇華される様が圧巻なキラーチューン。コサックダンスの似合う牧歌的なサビがラストに疾走する様にゃジタバタしたくなるよ。あとは飛翔感溢れるサビがラストに同じく疾走するUltravoxのカバー#8も非常に秀逸でした。Edguy「Vain Glory Opera」でやってましたね。

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

このアルバムはもうかなりの回数をリピートしている気がするが全く飽きが来ない。それどころか聴くたびにどんどんハマっていってしまい、自サイトで付けているランキングの順位もじりじりと上昇していってしまう始末。

ゴシックメタルと言うよりはもっとストレートでスピード感も意外に有るその音楽性は、恥を捨てて言うとシネマティック・エンジェリック・メタルとでも言えばいいのだろうか。要するにシネマティックでゴージャスでオケヒとかをジャンジャン決めてくるような展開がメインなわけだが、決してそれに偏っているわけでなく、メタリックな要素も程よく併せ持っているって感じ。近いバンドとしてはEDENBRIDGEが挙げられるだろうが、EDEN~はパワーの無い歌声を微妙にメタルな楽曲に合わせている印象があるので正直微妙な感じがする。

その点このLUNATICAは、シネマティックな音像を前面に押し出した楽曲と、Andrea姉さん(?)のパワーは無いが一点の曇りも感じられないFemale Voiceで構成されており、それらがこれ以上無いほどにぴったりハマっている。聴いていると程よい高揚感に包まれることができる、何とも心地よいアルバムだ。

オフィシャルの視聴を一通り聴いてみて何か感じる物が有ったなら、迷わずアルバムを聴いてみると幸せになれるかもしれない。

Official

[モヒ]

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Best tune : The Spell

女声ヴォーカルの乗るパートでは流麗なメロディを前面に押し出し、それ以外のパートではリフをしっかりと刻んでスピード・ヘヴィネスを前面に押し出す。その対比がもうたまらない。オケヒも絶妙なところでジャンジャン決めてくるのでこの上ない高揚感を得ることができる。

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

Switzerlandという国は、どのくらいHM/HRが旺盛な国なのかはイマイチ存知得ませぬが、ってか、「アルプスの少女ハイヂ」くらいしか思いつかないのですが、そんな涙ぐましいアニメが存在する国から生まれた、シンフォニック・美麗ゴシックメタルバンドLunaticaのアルバム。一言で片付けるとすると、かなり良いのでありますよ。コレが

で、何が良いのか?というと、まず女性VocalistのAndrea嬢その人なのであります。儚げも優しく包み込んでくれるその歌声に女性Voファンの人々はまず心奪われるでしょう。声に柔らかさが感じられるから、これぞ癒し系ともいいます。その辺は有名どころだと、EdenbridgeSabine嬢あたりが挙げられるかと思うのですが、彼女の歌唱方法とは一味違っているところが最大のミソでありまして、Andrea嬢はより少女チックといいますか、Pop's歌手的なところがあるかと。どちらかというとオペラティックな歌唱を披露するSabine嬢よりも、より万人の方々にウケが良いのでは?と思われます。激ウマってわけではないが、聴き易い…ってところかな。そこがまずひとつ
もうひとつは、超絶シンフォニック要素満載でありながら、メタルバンドとしてのHeavyさも失われていない点にあります。ポータブルCDプレイヤーでも何でもイイから、重低音を効かせ、ヘッドホン等を付けて聴いてみて欲しい... すると、結構ベースの音が効いているのがわかると思うのです。これ重要だと思うのですよ。シンフォニックな要素を追求するあまり、肝心なバンドとしての音が失われてしまっているようなバンドが最近多いような気がするから。#2Avalonとかあたりを聴くと、それが最も顕著に表れてるかな?まぁもちろん、全ての曲においてそーなのか?と言われると、決してそうとは言い切れないのも事実なのですが^^;

ただし、このLunaticaにも問題点がないわけではありません。曲の方はまぁはっきり言って、どれをベストチューンに選んでもおかしくない出来です。つぅか、人によってベストチューンがコロコロコロコロ変わるんじゃないか?っていえるくらいの出来。でもそれは裏を返せば「素晴らしきキラーチューンというのが存在しない」ともいえるのです。それは何故か?
彼らの作る曲は、A~Bメロのへんにかけては、切なさ噛み締める泣きメロや天国に昇り詰めるかの如く優しさに満ち溢れるAndrea嬢の美声の相乗効果も手伝って鼻血出るかと思うほどにイイにも関わらず、そのあとの詰めが大変に甘いからなのです。要するに、せっかく前段階でリスナーの心を鷲掴んでおきながら、肝心のブリッジ以降~サビにかけておざなりになってしまっている。これは勿体無い...なんていうか、アレ?アレレ??って感じで、あー非常に惜しいとか心から思ってしまうのでした。まぁそのへんは次作への課題でしょう。この辺クリアすれば神盤いけるかもね

まぁしかしながら、冒頭~中盤にかけて長々タラタラと述べたように、このLunaticaの音楽性は大変に素晴らしいものであるのは確かです。#1The Search Goes Onなんてインストだけど、オーケストレーション全開で、まるでどこぞのファンタジー映画の予告編を劇場で観ている様な雰囲気を醸し出しているから、これから始まるゾ♪っていう昂揚感が自分の中でヒシヒシと伝わるのがイヤでもわかるしね
個人的には、今いる女性Vo在籍バンドの中ではOratoryとかEdenbridgeなんかと同等、いやそれ以上に気に入ってるかも。Switzerlandだからって侮れないよなぁ、、、更に飛躍して欲しいものですー

ところで余談ですが… #10の曲って、展開が超絶妙なのはイイのですが、途中からかなりロシア入ってると思ったw

【ひでぽん】

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Best tune : Silent Scream (2004)

儚げなピアノのイントロに始まり、哀メロを伴い比較的リズミカルなテンポでストーリーが展開される楽曲。バックのKey等によるシンフォニックでドラマティックなアレンジとギター・ベースの活躍・Andrea嬢の美声Voによる相乗効果が相成って、素晴らしい曲に仕上がっている。サビへの流れも美麗でイイなぁ
つぅか、どれもこれも捨て曲なんて見当たらないね
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