1st
91 Suite / 91 Suite
ドアを開けるとそこには馨しい甘いメロディが・・・なんてね

Track List :

1. The Day She Left
2. Down to You
3. Time to Say Goodbye
4. Lost in the Silence
5. Hard Rain
6. Chances
7. Hurt and Pain
8. All is Gone
9. Give Me the Night
10. I Will Stand by You
11. Chance of a Lifetime
12. Wherever I Am
13. Dreaming

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

スペイン侮れじ・・・

いや実際飽き飽きしてたんだよスペインにはさ。一時期ネットメタル界でスペインのバンドを発掘する時期があって、もちろんうちもガンガン発掘したんだけど、やっぱそれらは普通のメタラー諸氏にアピールするにはほど遠いモノだったのが殆どだったんだ。スペイン語って言う言語で歌っている時点でNGになるな・・ってのをうすうす感じていたんだけれどもさ。それ以前に、普遍的な魅力ってものが欠けてたんだよね。正直「やっぱDark Moorぐらいしか通用しねぇな」とか思っていたんだ

でもジャンルの壁を越えて目線を投げてみるとメロディアスハードというジャンルに関しては、スペインはまだ生まれたても水水しさにあふれていることに気づいたのはごく最近(2003/1月ぐらい)のこと。名前はいいけれどもくそったれしゃがれボーカルのいるIce Blueはとりあえず置いておくとして、盟邦メロミューことMellowMusicから本邦デビューしたAirlessだとか、うちで良盤がついてるGolden Farmとかは確かになかなかな輝きをもっているけれども、全体として聞いてみるともう一歩の踏み込みが俺には欲しかったんわけでして・・・

さてそんな俺の要望に応えるように現れたのがこの91 Suiteなわけだ。正直Golden Farmを聞いてたあたりから、いろいろなところで耳にしたり人に薦められてたりはしたんだけど、イマイチ踏ん切りがつかなかったんだけど聞いてみて「なんで今まで敬遠してたよ、俺」ってかんじの秀逸な一品でしたわ・・・

基本的な音楽性はGolden FarmとかTerra Nova系の爽やかさを持ちつつも、時にふっと翳りのように現れる叙情性が耳を奪うタイプ。その相反する音楽性を持つのが魅力的・・・って実にありきたりだけどね。そういうのに弱いんだわさ、俺は

とにかく主張したいのがKeyの素晴らしさ。このサイトに来てレビューを読んで時間を無駄にしている人ならご存じであるが俺はKeyに耳を持って行かれる人間なんで、コレを見て「ああまたかよこのキラキラ大好き野郎が」とか思うかもしれないけれども、コレが本当にいいんだよ。オープニングチューンの1のイントロだけでもここのKeyのセンスの良さがよくわかるってもんですよ。2回目のAメロから絡むKeyの柔らかなメロディにはまじでまじでやられましたわ・・・。そして次のDown To Youではこれからの展開を壮大に広げる様なKeyの独壇場に涙涙。全部語ってると普通に長くなりすぎるからこの辺でやめておくけれどもI Will Stand By Youとかも一瞬で覚えてしまいそうなキャッチーなKeyのイントロのメロディが印象的でして、そんな勢いでアルバム全編にわたりKeyが大活躍しているのですよ

そしてそのKeyの独壇場になってバランスが崩れない理由には歌メロの秀逸さがあげられる。若干タイトルの繰り返しばかりかなと思うこともなくはないが、軽くしゃがれた声のヴォーカルがまたいいかんじに曲にマッチしているのでそこいらへんはあまり気にならない。全体的にサビでは明るいが前後半の展開上、失恋したけれども相手も優しい人だから自分が悲しむことで相手に罪悪感を与えない様に笑顔で居る様な(意味不明かもな(^^;)、どことない寂しさをまとった明るいサビが個人的にはすごいぐっときたところ。もちろんAメロからの勢いでそのまま明るいThe Day She LeftTime To Say Goodbyeといった曲もあるけどね。蛇足ながらも付け加えておくとドラムの細やかなおかずの入れ方や、叩き方が個人的には高ポイント。例を挙げるとDown To Youのサビの終わりの二小節だけライドを裏に入れるとか・・・(細かすぎるな・・笑)

Marvelous 3なんかでも感じたことなんだけれども、やっぱバック陣が甘くないところが、歌メロの甘さとのぎりぎりのバランスを保ってすごい魅力的な要素を生んでいるのだと思う。単純に言ってしまえばメロディが良いって話なんだけれども、それをいかにしてさらに昇華していくかっていうのが問題点であると思うので、このバンドはその点で具体例を挙げなかったギターやベースにしても凄いと思う。・・・とだらだら書いてきたけれどもとりあえず12811はチェックしておきなさいってこってすわ。これでダメだったら残念だけどこのバンドと縁がないんじゃないかな~。すっげ尊大な言い方だけどね(^^;)。個人的には捨て曲無しっていうドツボにはまったバンドなんで、今度の動向を注意深く見守りたいと思う。Best Tune一曲をとってみてもすでに俺の中では「特別なバンド」になってるしね。超絶主観でいくと神盤。でもチキンだから仏(笑

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Best tune : All is Gone

I gave you all, my life my soul
I died for you, my precious one
You broke my heart, without a sound
You couldn't wait, now all is gone


歌詞が安っぽい?単純すぎる?そんな批判聞こえやしねー
明るい様な切ない様なそんな要素に打ちのめされました
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