4th
Dark Moor / Dark Moor
魔法使いが消えた

Track List :

1. A Life For Revenge
2. Eternity
3. The Bane Of Daninsky,The Wereworl
4. Philip,The Second
5. From Hell
6. Cyrano Of Bergerac
7. Overture
8. Wind Like Stroke
9. Return For Love
10. Amore Venio
11. The Ghost Sword
12. The Dark Moor
13. The Mysterious Maiden (Bonus Track)

評価 … ★★★★★★★☆☆☆(秀盤)

Dark Moor様ご帰還。約2年振りとなる4thアルバムです。アルバムに先駆けたシングル「From Hell」では、ボーカルの押しが弱いとか線が細いとか苦言を呈されながらも従来通りのDark Moor節を提示してくれていたので、迎えたニューアルバムも路線的な大きな変更はなく一安心。基本的な路線については前作までのレビューをご覧下さい。

では細かい点での変化はあるの?と聞かれると若干あります。
1. 楽曲がギター中心になった点
2. 力技の派手さよりも柔軟で緻密な場面展開の増加
3. クワイアがしょぼくなってる点
の3点が個人的に感じた微妙な変化です。

まず1ですが、速弾きになるとたどたどしさを孕んでいたギターが随分と上手くなった印象ですね。従来よりのネオクラシカル路線は引き継ぎながらも、イングヴェイというよりはウリ・ジョン・ロート的なトーン・音の切り方・ビブラート・ワウの踏み方が目立ち、今作ではギターソロが曲のハイライトを作っている場面が多々あります。

2については前任ボーカルに比べてリズム感が安定している上に丁寧な唄い方をするタイプなので、一呼吸置いたから次の展開に移行しているかのようなの落ち着いた感じを受けます。人によってはエリサの力技の方が良かったという人も多そうですが、Dark Moorのオリジナリティとも言える構成力を生かす方向に向いた変化のでは?と思います。

最後に3ですが、ハイきましたよ。#1の0:00から一瞬で聴く気が失せるほどムカつきましたね。なんだこれ。繊細な場面展開を見せるようになった今作の極大マイナスポイントだと思います。胴体隠して尻隠さずとはこのことでしょう。大曲の#12は前作のハイライトチューン「Dies Ire」タイプの曲ですが、サビで全部台無し。疾走チューンの#4#6もクワイアのせいで頭が痛くなります。マジなんとかしてくれ。ぶはぁ!そもそも音程が怪しい上に、コードに乗せるのにちょっと違和感を感じるラインだわ男ドモは低音で苦しそうだしもう聴いちゃらんない。Six Magicsの核爆弾級のコーラスワークでノックアウトされた後に聴いた作品だからか、余計にアラが目立ちます。メロディライン的に下方向に向かうものばかりなのもテンションが下がります。ふぅ

内容的には#1はマジムカつくので飛ばして、チェンバロソロから始まりギターが重なったとこでバンドイン→疾走開始、前作の「Nevermore」風のサビがハーフテンポで疾走する#2の時点で結構な悶絶度を誇っています。シングルになった#5は小盛ツユダク的なキャッチーさに拍手喝采。メロディの抑揚の付け方が情緒豊かな疾走チューンである#4#6や、Lost Horizon的な漢リフを見せる#11などでは、ギターソロでの悶絶感もプラスされてハイライトチューンと言える仕上がりを見せます。アルバムの中間に配置された室内交響楽的インスト#7も悶絶度高し。

箇条書きみたいになってきているのでまとめに入りますと、メロディの派手さが減っている分初聴のインパクトは従来と比べると弱いかもしれません。しかし、連続で2週目を聴くと今作での特徴が少しずつ見えてきて、ジワジワとボディブローのように効いてくる感があるので悶絶クサメタラー諸氏もちょっとずつながーく愛して。
~どみね。~

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Best tune : Cyrano Of Bergerac

これぞDark Moor!といった瑞々しいサビに大悶絶。丁寧に次々と展開される構成力の妙にご満悦。中盤から登場する女性ソプラノボーカルによるパートも瑞々しさ満点。ところでクワイアうざいよ黙っててくれないか。
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