Six Magics / The Secrets of An Island
「げへへ・・・オニイチャン、5万でどお?」「いや、結構です」

Track List :

1. The Secrets...
2. Chaos and Fury
3. Rising of the Island
4. Chiloe, The Creation
5. Endless Waiting
6. Caleuche (The Flying Dutchman)
7. Goddess of the Seas
8. Cradle of Sorrow
9. Brutal Sacrilege
10. Trusted Steps in The Forest
11. Trauco (Seed of Pain)
12. Slave of the Sky
13. Hopeless Return
14. Frozen Lips in The Night
15. The Basilisk
16. ...Another Night
17. The Secrets of and Island

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

個人的に思い入れの深い、チリ産シンフォニックパワーメタルバンドSix Magicsの2nd Album。前作より持ち合わせている楽曲のスリリングでドラマティックな展開はそのままに、本作ではさらなるコーラス隊の大々的な使用という、そりゃあXametalersも大喜びといった手法を持ち込んできた。この方法はかなり功を奏している。似たようなタイプとしてはThy Majestieを想像してもらえればいいのだろうか。もっとも使い方はOpus Atlanticaのようなのだけれども。コーラス隊は、どちらかというとソプラノ系の合唱がやや目立っておりとても良い感じ。まずは民謡的なインストの1で安心させておいて、いきなり2の幕開けで大合唱が炸裂します。そしてここでお気づきになるかと思いますが、今作は音質が向上したというのも手伝ってKeyが大変目立つようになっております。このKeyはなんか前作よりもはっちゃけておりまして、センスの良さをこれでもかと発揮しています。個人的には全般的に乱舞する様も好きなのですが2のように、合唱とユニゾン(といっていいのか)してたりする何気ない箇所にも好感を持ちます

さて欠点はどうなのだと問われますと、これがまぁなんというかそのまま前作を延長しておりまして、イマイチサビに盛り上がりが欠けたりするのと、大仰になったコーラスのおかげで前作よりは遙かにましになったボーカルの弱さがくっきりと浮き彫りになりすぎてるあたりでしょうか。ただ前者においては、いささかやけくそ気味なコーラス隊の使用具合が、かえってxametalならではのおもしろ具合になっているので別に良いのではないでしょうか。と自分は思いましたが。あとサービス精神旺盛なのかどうかは知りませんが、さすがに小曲を挟んでいるからと言っても17曲はやはり長いので、9以降はやはりダレ気味になってしまうのが惜しいところです。9まで聞いたら、クッキーと紅茶ともってきて小休止すると良いかもしれませんね。そうでないと15のような格好良いイントロを聞き逃したりしてしまいかねないので

さて、このようにぐたぐた言ってきたわけなのですが、小曲以外の曲の多くは疾走曲であり、その疾走感に絡むKeyと混声大合唱は魅力的であるといって差し支えないでしょう。だからこそこのイントロならもうちょっと歌メロが練られてればな・・・と思うことは多々有るかもしれませんが、満足のいくレベルには仕上がっていると思います。前作では必死だな感てんこもりだったギターも、だいぶましになってきているし、ボーカルも成長しています。前作に騙されたあなたもお買い求めになってはいかがでしょうか。ただし個人的には11の最後だけはすっ飛ばします。キモいから。あとジャケットに限らず古すぎるアートワーク群はなんとかして欲しいかな。逆に気に入ったのはスネアの抜け方かな

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Best tune : Caleuche (The Flying Dutchman)

Endless! anguish! haunts you!
The deep! sea!shelters! your dream!


こいつが耳について離れねぇ

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

チリ出身の辺境の雄Six Magics、全国348人待望の2003年ニューアルバム。少々のプログレッシブさも介在させながらも基本はメロディック・パワーメタルです。

#1のSEをのほほんと聴いていると、#2が始まった瞬間ド派手過ぎる混声コーラスに思わずキョトン。そう、今作の特徴はショボサもなにも全てふっ飛ばしてくれる混声コーラス。前作でも一部で使われていましたが、今回は開き直ったか全編押しまくりの押しまくり、コーラスの派手さだけならRhapsodyと互角に張り合います。

前作と比べ明るいメロディを減退させた分シンフォニック度をプラス、ジャーマンメタル度が下がった分ゴシックメタル度をプラスといった感じでしょうか。ボーカルパートでもバックでピアノが乱舞したりと、バロック調のシンフォゴシック的要素が目立ちます。ただし間奏からボーカルパートに戻る際の1小節で、通常予想され得る展開を裏切るSix Magics的プログレッシブさ?は健在。プログレッシブに聴こえる展開も少し大きいタームで見れば、大体のパートが8/8拍子かワルツで取れるように収まっている辺りに、プログレッシブになり過ぎない曲造りの巧みさを感じます。勝手な推測ですが、プログレがダメというメロスパーにも受け入れられるギリギリのラインなのではないでしょうか。

演奏面に話を移しますと、前作ではドラムがおかずを演出しようとするも、楽器陣が全く追いつけずアンサンブルが破綻しかけていたのが聴いていて悲しかったのですが、楽器陣の全体的な安定感が増したため”おかずがおかずとして”生きています。ドラムを聴いてるだけでも結構楽しめるなという印象。楽器・ボーカル陣はまだまだ甘さを露呈しているのも事実ですが、混声コーラスが全部ごまかしてくれています。よっしゃ!プロダクションは少々ハイを効かせ気味で、一音一音のアタック感がかなり強調されています。個人的にはイコライザーで低音部を上げて聴いているんですが、するとどうでしょう、ギターのペケペケップリがかなりの部分解消されるではありませんか!!ってもうイイやこの辺については。

最後に内容ですがYudaiと同じく#9以降でダレてしまってるかなと思います。しかしながら第一聴時はあまりの派手さにウキャキャキャ言いながら聴いてました。だってだってド派手なんだもん。細部の雑さを吹き飛ばしてくれるこの勢いが気に入りました。メロディの抑揚に欠けるとか全部コーラス任せジャンとか、Fairylandが言われたような欠点はありますが、ショボサを何かしら特化した部分(無闇に疾走とか激クサとか)でなかったことにするのがクサメタルだとすれば、ド派手コーラスで帳消しにしてくれているSix Magicsは正にクサメタル。ということで評価も一個上げで岩盤に。

TherionThy Majestie・Fairylandが好きな人は要チェックの一枚かと思われます。
~どみね。~

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Best tune : Chaos and Fury

#6は選ばれちゃったので、同じくハヤクテクサメの#2を選出。デス声が入り交じったりピアノの使い方が2nd時のArcturusっぽかったりと、”シンフォゴシック的要素満載のメロパワ”である今作を特徴付ける一曲だと思います。Great!!
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