Unmoored / Indefinite Soul-Extension
もくもく

Track List :

1. Unspeakable Grief
2. Commit To The Fire
3. Leave-Taking
4. Phase of Revulsion
5. Mourndraper
6. Cinder's Veil
7. Spit Forth From Failure
8. Final State Ⅲ (Posthumous Writing)

評価 … ★★★★★★★★★★(神盤)

Arch Enemy「Stigmata」
Children of Bodom「Hatebreeder」
Dimmu Borgir「Puritanical Euphoric Misanthropia」
Emperor「Prometheus -The Discipline of Fire & Demise-」
Opeth「Derivarance」
Satyricon「Nemesis Divina」
Terror Squad「The Wild Stream of Eternal Sin」
・・・

本人達がどういうかは知らないけれども、
世間で言う所のデスメタルにおいて私個人が選ぶベストアルバム陣である。

デスメタルの起源は諸説あるが、一般的には93年のCarcass「Heartwork」を記念碑にメロディックデスメタルは産声を上げたと言われ、Iron Maiden的リフ手法を取り入れたIn Flamesの登場、Carcass「Heartwork」の立役者であるマイケル・アモットのニューバンドArch Enemyの登場、Dani Filth(ex-Cradle of Filth)のマスメディア戦略における成功とそれに付随したブラックメタルの一般認知度アップ、昨年のIn Flames「Reroute To Remain」に代表されるアメリカンニュースクールへの接近等々、昨今デスメタルは大衆性の導入が加速度的に図られてきている。

そしてデスメタルが大衆性を帯びて行くのに付随して、本来の”アンダーグラウンド意識”が失われて来ているというのも事実である。商業的成功と結び付くこと自体はそのジャンルの発展を促す意味合いを持つので歓迎だが、成功と結び付き拡散して行く中で、”メタルの音でデス声を使っていればデスメタル”と言っても過言でないくらいにその意識が失われていっている。結局はアーティストの姿勢の問題であるとは思うのではあるが、売れたいでーすA&Rのみなさんよろしくー♪みたいななんちゃって君を私は応援する気にはなれない。別に「アングラなんだから人を殺してこそ本物」とかそんなことを言いたいのではなく、自己表現において音楽を、そしてその中でデスメタルを選んだ以上、いくら聴き易くなろうが何かしらオゾマシイモノを感じさせてくれなくては説得力がないからだ。

長くなったが冒頭で挙げた7枚は私個人が勝手に、アンダーグラウンド精神内でアーティストの表現手法として、”結果的に”耳当たりの良さが生まれたと解釈しているメロディックデス・ブラックメタル作品群であり、今回その仲間入りを果たしたのがこれから紹介するUnmooredの3rdアルバム「Indefinite Soul-Extension」である。

2003年リリースの3枚目となる今作は、メロディックデスメタルが10年に渡って育んできた物を、46分のランニングタイムの中に絶妙なバランス感で放り込んだかのような高い密度を誇っている。ブラックメタル的突進感にSoiwork的なリフ構成、クリーンボーカルによる静と美の対比、そして今作を語るにおいて外せないのはArch Enemyのアモット兄弟すら脅かさんとする、若干22歳の新鋭Thomas Johansonによるソロワーク。彼のギターからは、一昨年亡くなった故Chuck Shuldiner(ex-Death)が乗り移ったかのような鬼気迫るモノを感じさせてくれる。前作まではソロらしいソロがあまりなかったことを考えると、彼の加入はUnmooredの格を2ランクはアップさせたのではなかろうか。

#1「Unspeakable Grief」はサンプル公開されていた曲。ブラストに合わせたメロディックデス的なリフワーク、クリーントーンによるSoilwork以上にメロディアスなコーラスパート、翔け上がり乱舞するソロパートと、曲全体が一つのフックとでも言うべき曲で、サンプルを聴いた時から今作の充実振りが覗われた。しかし結論から言ってしまえば、この曲はアルバムにおいて平均点くらいの出来だったと言わざるを得ないかもしれない。#2「Commit To The Fire」は今のArch Enemyが作りそうな、若干ドゥーミーなリフから始まり重心低く突進していく曲。中盤のメインリフ後に導かれるクリーンボーカルの美しさには息が漏れる。そして圧巻は#3「Leave-Taking」。スィープのイントロに始まり、不協和音を用いたOpeth的なリフを疾走するワルツに乗せた時点でもうノックアウト。ブラックメタルの如く疾走に次ぐ疾走を繰り広げつつもクリーンボーカルパートに酔いしれ、そして4:00からのキーボードソロの美しさには言葉も出ない。全曲至高クラスの出来だと思うのではあるが、この曲は特に凄い。まぁ凄いとかそんな形容詞をいくら連ねてもレビューにはならないのだが、その一次的感想を文章でビュー(view)しようと思っても私では言葉が足りない。#4「Phase of Revulsion」はイントロでもうその慟哭感にやられるし、#5「Mourndraper」は7/8拍子を疾走させてるのにストレートに聴けてしまうのがおもしろいとか、#6「Cinder\'s Veil」はブラックを基調とした疾走曲で、ラストの1分47秒にも渡るソロはArch Enemy形無しだぜよっしゃ!って感じだし、#7「Spit Forth From Failure」も同じようにブラック寄りの疾走曲で、#8「Final StateⅢ」Unmooredが毎回アルバムに入れてくるゴシック系の曲で、いつにも増して慟哭感がもうあ、やんばいっのですよ。ってこういうただの感想を如何に言葉にするかがレビューというものだと思いつつもどうにも出来ない。
どうしたらいいものか、、、

・・・
あ、いい言葉があった。 

Unmoored最強おぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!!!!!!!!
今年のデス系ベストはこれで決定だから遠慮なく使わせて頂く。
音楽に強いもクソもあるかと思いつつ。
~どみね。~

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問答無用
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