3rd
Falconer / The Sceptre of Deception
実は右のヤツが真ん中を殺るつもり

Track List :

1. The Coronation
2. Trail Of Flames
3. Under The Sword
4. Night Of Infamy
5. Hooves Over Northland
6. Pledge For Freedom
7. Ravenhair
8. The Sceptre Of Deception
9. Hear Me Pray
10. Child Of Innocence
11. The Gate

評価 … ★★★★★★☆☆☆☆(良盤)

スウェーデンのヴァイキング・パワーメタルバンドによる、2003年リリースの3rdアルバム。ボーカルをクリストファー・ヨーベルという人物にチェンジしての新たな出航です。基本的な作風は正統派メタルをベースに牧歌的なメロディを適度に織り交ぜた、ウォッカでもかっ食らいながら聴きたくなるヴァイキングメタルとなっています。

新ボーカルの声質は伸びやかさが売りのタイプで、疾走曲を増やした今作の作風においてガッチリ嵌っているのではないでしょうか。アコースティックなパートではその繊細さがより生きています。反面伸びやかさがあることの裏返しでもあるのですが、少々重量感に欠ける声質であることにより、ユラユラとした横ノリのミドルテンポチューンでは曲に芯が刺し切れていないという印象を受けました。ミドルチューンではむしろインストパートの方が魅力的かも。ギターの単音リフも良いメロディを持っているながらも、演奏の情感が乏しくいまいち胸にまで響いて来ないのが惜しい。

にしてもアルバム本編ラストの#10ですよ。56秒しかないアコースティックチューンで、前任ボーカルのマティアス・ブラードが歌っているのですが思わずビックラこいただ。ワルツの揺れと船の揺れが完全にシンクロし、深夜の航海で星空を見上げながら眠りに就くような情景が思い浮かびます。それだけに直前の#9はバトルしてまっせ!!的な疾走曲であって欲しかったな。上述したようなポイントをすべて相殺して一気に2ランクぐらい評価アップしてたかも(笑)#10聴いてるとボーカル変えて得たモノもあるけれども、失ったモノもでかいということが非常に良くわかって微妙な面持ちになります(汗)

総括すると初聴の印象は弱かったのですが、聴く度嵌ってきたので良盤でフィニッシュという感じで。ボーナスの#11は激しく疾走してるけど無理すぎるハイトーンがイタメです(笑)
~どみね。~

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Best tune : Night of Infamy

正直一番気に入ったのは#10だけどメタルじゃないのでレビュー本文で触れとくのみにして(苦笑)、アコースティックパートと疾走パートが効果的に入り乱れる疾走曲の#4を選出。静を演出するイントロや中盤のハモンドオルガンに続くギターソロに悶絶!!秀逸なボーカルメロディと相俟ってドラマティックに盛り上がる佳曲だと思います。
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