Wolf / Roll Over

Track List :

1. Standing With Shout
2. Gettin' High Through The Night
3. Cry of Silence
4. Stay Close Tonight
5. Running Forever
6. Loving You
7. The Shadow of A Shade
8. Anyplace
9. Realize
10. Blue Flyer
11. Night Walker

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

日本が誇ったネオクラシカル最強兵器Wolfのベスト的作品「Roll Over」(1991年発表)の紹介です。今聴いてもトップクラスの実力者であったといえる松本のボーカルに、叙情的に且つスピーディなフレーズを奏でる黒木のギターが織り成す、正統派をベースにしたネオクラシカルサウンドには圧倒されるばかり。このアルバムは87年と91年のデモを2本組み込んだ初期ベストとでもいうべき作品で、音質は正直悪くその中でも87年のはもっと悪かったりしますが、極上の楽曲が並べられているので不思議とそこまで気にはなりません。というかここまでレベルの高い楽曲を作ったネオクラバンドが今に至るまで日本にいくつあったかと考えると、、、う~ん。どちらかというとジャーマンよりのAzrael辺りなかなかに良いけれど、ボーカルも楽器も演奏レベルでWolfの足元にも及ばないし。まぁ古いアルバムだしキーボードはないからキラキラはしていませんがね。

ハイライトはやはり疾走曲である#1「Standing With Shout」、#3「Cry of Silence」、#5「Running Forever」、#7「The Shadow of A Shade」。どの曲も鬼の如く弾き殴る黒木と、低音からハイトーンまで完璧に自分の声を制御する松本が織り成すマジックが聴けます。ボトムを完全に支えてる上で決め部分で動き回るベースが曲と上手く絡み合い、スパスパと切れ味の良いドラムも非常に気持ち良いです。抜群に上手いベースを聴いてるだけでも楽しめたりします。ただ、全体的にマイナー調を基調とした演歌っぽいいわゆるジャパメタ的なメロディが多いので、そういう匂いの物がダメという人、メロスピ的な明るいメロディじゃないと悶絶出来ないという人にはオススメ度は相当下がります。ちなみに日本語歌詞です。

後追いながら思い入れたっぷりなので名盤なんぞが付いていますが、1987年リリースのデビューミニアルバム「Wolf」、念願のCD化を記念してレビューを書いてみました。バンドはこの後アルバムを一枚残した後、松本の音楽界引退に呼応して、「松本が歌わないならやる意味がない。」と言い残して黒木も引退。黒木は90年代後半にソロアルバムを出したりもしましたが、ジャズ・フュージョン方面に傾倒しており、Wolf時代のようにフレーズであるがゆえに必然性のある弾き殴りをすることはありませんでした。なにはともあれ、当作品はジャパメタ史上屈指の名盤として、リリースから12年たった今も語り継がれる会心の一枚です。古臭さ全開だけどね。
~どみね。~

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Best tune : The Shadow of A Shade

序曲的な30秒のバンドイントロに続く、黒木の一分以上に渡る独奏で悶絶。バンドに戻ってボーカル入ってからは疾走曲に変貌。LoudnessとかConcert Moonは個人的にあまりハマれませんでしたが、Wolfにはやられました。むふむふ(・∀・)
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