Waltari / Yeah!Yeah! Die!Die! Death Metal Symphony in Deep C
幻の(?)名盤

Track List :

1. Misty Dreariness
2. A Sign
3. Deeper into The Mud
4. The Struggle for Life and Death of "Knowledge"
5. Completely Alone
6. Move
7. Time, Irrelevant
8. The Top

評価 … ★★★★★★★★★★(神盤)

オーケストラとメタルの融合・・・Therionを初めとしてMetallicaScorpionsDeep Purple辺りが大掛かりに演じてきましたが、未だにこのスケールに並走した作品はないと断言。フィンランドが誇る天才アーティスト集団、Waltariが1996年にリリースした狂気の作品です。本職のテノール歌手による女性ボーカル、AmorphisTomi Koivusaariによるデスボーカル、Alexi Laiho(ex-Children Of Bodom)をして「フィンランド1のギタリスト」と言わしめたRoope Latvalaのリフワーク、指揮者付きのフルオーケストラシンフォニー・・・

やばい。


#1「Misty Drearinness」はオーケストラのみのインスト。これから始まる狂気の世界を予見させます。そしてマグマが地鳴りと共にリフの形を持って噴出するかのようなオープニングを持つ#2「A Sign」は正に神曲。疾走するリズムに乗るオーケストラとメタルの気持ち良さは半端じゃありません。続く#3「Deeper Into The Mod」は重量感あるミドルテンポのデスメタルチューンを基本にした曲で、不気味なパッセージを奏でるオーケストラには打ち震えます。#4「The Struggle for~」は前の曲からそのまま続く2ビート疾走曲。パートとパートの合間に挟まれるおふざけっぽいオーケストラフレーズとの対比がおもしろい。#5「Complete Alone」はオーケストラによる静かなインスト。後半へのインターバルとも言えます。12分は長いけど。トイレ休憩か。で後半冒頭#6「Move」Waltari本来の持ち味であるミクスチャー曲。ラップに乗るオーケストラは2005年の今聴いても新鮮です。この曲は取りようによってはゴシックとして見ることも出来る曲で、女性ボーカルパートの清らかなメロディラインは非常に秀逸です。ミクスチャーというある一定の枠が出来て以降、それに綺麗に収まっているのに偉そうにミクスチャー{混合物}を名乗っている謎のバンドで世の中溢れ返っていますが、少しはWaltariを見習ってもらいたい。続く#7「Time, Irrelevant」はアルバム中特に展開の起伏に優れる曲で、#2「A Sign」で聴けたフレーズがブラストビートと共に天に昇って行くラストシーンは圧巻も圧巻。曲終了後の脱力感が全てを物語ります。とてつもない。そしてラスト#8「The Top」は#6に続いてミクスチャーチューン。ポップなメロディラインが際立った曲ですね。ちなみにこの曲自体は6:00程で終わり、7:48から「How Long Can U Go?」というロックンロールチューンが始まります。「Are You Ready for Rock'n Roll?」とか言ってるそばからオーケストラが鳴り響くというシュールさw。そしてそんな楽しい空気に満たされつつ、なんでもありの真にプログレッシブな一大オーケストラメタル絵巻は幕を閉じます。

クサメタルの範疇って人によって相当違うので難しいのですが、オーケストラが大仰に鳴り響く際のスケールのでかさと、クサイメロディを少なからず持ったメタル、という意味で個人的に十分入るモノなので載せてみました。全編クサくなきゃ話にならんって人には無理強いしませんが、おもしろいものなら貪欲に吸収したい人には是非是非聴いてみて頂きたいアルバムです。なお、今回紹介したのは96年年初リリースのトラックインデックス付きオリジナル盤ですが、再プレス盤以降はインデックスなしの1曲扱いになっているようです。
~どみね。~

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Best tune : A Sign

大河ドラマクラスのオーケストラフレーズが疾走乱舞する狂気のシンフォニー。
ここぞという所にクサメロがバシバシ決まるのがなにより嬉しいのです。
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