The Provenance / 25th Hour: Bleeding

Track List :

1. Deluded into Delirium
2. For Whom I Bleed
3. Shut Down
4. Ignominy Embodied
5. 25th Hour: Bleeding
6. Frequencynic
7. All of Reality
8. Listening
9. Painted A Life

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

2001年発表メロディックゴシックメタルバンドの1st。識者にとっては今更なに?見たいな感じかもしれませんがこれは凄い作品です。プロダクションが薄めなのが残念だけどそれにも増して鉄壁のアンサンブルを誇る演奏に慟哭のメロディが聴く度に涙腺を刺激します。音そのものから情念を感じます。灼熱です。Thalarionにしろこのバンドにしろこんな良いバンド見逃してたんだ…みたいな自分への失意が溜息になって出てきます。2001年頃っていったら北欧ロックンロールに嵌ってた時期だからなぁ、、などと言い訳して本題へ。

CDを聴き始めて数分、あっという間に極上プログレッシブメロディックゴシックワールドの虜に。曲構成に溺れることなく一つ一つの展開にフックを与えることに成功している様はOpeth御大に迫るほど。この手の音楽は"展開のための展開″に陥ってただ散漫な印象しか残さないものが多いですが、曲の練り込みにあたってあくまで当初の目標地点をしっかり見据えた上での深化に成功しているからでしょうか、実にまとまりのある、かつメロディアスな作品に仕上がっています。バックを支配するストリングス類の役目も無視できません。特に時に前面に出てきてソロを取るハモンドオルガンは凡百のゴシックバンドとのアレンジセンスの違いを物語っています。深遠にして取っ付き易い音、聴く度に新たな発見と恍惚感をもたらしてくれるバンド、最高です。

ゴシックメタルにお約束の色物系も目立つためだけの道具でなく、Provenanceワールドの構築に必要不可欠なものとして消化出来ていると思います。このバンドの場合は主にフルートです。あとクレジットには明記していませんがどう聞いても尺八としか思えない旋律も聞こえます。

北欧の森に足を踏み込み早8時間  足も絶え絶えにやっと見つけた一軒家
ただ一切れのパンを求めて戸を叩く  そこに居づるは尺八持ちの虚無僧さん
なぜにこんな所に??とは思えども  手持ちのフルートで朝までセッション

そんな感じのバンドです。

彩り豊かに取っ付き易くなったOpeth・どこからともなく切り込んでくる尺八(フルート?)、どちらかの言葉にピンと来るようでしたら是非とも聴いてみて頂きたいバンドです。
なにやらテンション上がったレビューでスイマセン。
~どみね~

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Best tune : Shut Down

灼熱の情念を撒き散らすサウンドにそれと同居する圧倒的なメロディライン。
実においしゅうございました。
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