Opeth / Damnation
Track List :
1. WindowPane
2. In My Time of Need
3. Death Whisperes A Lullaby
4. Closure
5. Hope Leaves
6. To Rid The Disease
7. Ending Credits
8. Weakness
評価 …
★★★★★★★★★★
(
神盤
)
前作
「Deliverance」
に続く
「Damnation」
です。アルバムとしては7枚目。
Opeth
の頭脳
ミカエル・エッカーフェルド
曰く、この2つの作品は2つでひとつ。
「Deliverance」
は今まで以上に不協和音を多用したヘヴィな印象を受ける作品であったのに対し、
「Damnation」
は史上最もアコースティックギターを多用したソフトな印象を受ける作品になっています。タイトルが本来逆っぽいのは遊びだそうで。
今作を一聴して分かるのは、ディストーションを抑えた音像に各曲のコンパクト化。音像が控えめになったことでより引き立った甘美なギターのトーンと、バックを浮かび上がらせる効果を持ったストリングスの調和は時が経つのを忘れるほどの素晴らしさです。しかしそれも従来の骨組みのみを剥き出しにしたに過ぎず、不協和音同士の協和により織り成される唯一無二の
Opeth
ワールドに他なりません。何より
「Deliverance」
の崩れるか崩れないかの瀬戸際で葛藤を繰り返したかのようなヘヴィさと、
「Damnation」
の葛藤すること自体を諦めたかのようなヘヴィさは、質の違いはあれど両者とも狂気に内在するものという点で驚くほど似ています。ミカエル自身が「同じスタジオで同時期に録音された作品」と述べている通り、作品を人に例えると両者が目指しているものは全く同じなのかもしれません。
本人たちが狙っているかどうかはともかくとして彼らが2つの対を成す作品で表現したことは、永遠に続くかのような時間的感覚の麻痺を誘引する点・聴き手の想像力を異常なまでに挑発し、人の奥底の精神世界と生きるのに必要な表層世界(本音と建前)を強引に連結させ葛藤を誘引する点において、
Pink Floyd「The Wall」
の2通りの現代的アプローチと個人的に感じました。一見POPな
「The Wall」
の裏に見え隠れするヘヴィさと、
「Damnation」
のソフトな音像の奥底にあるヘヴィさが俺にはリンクしてなりません。聴いてるだけで脳がとろけます。とろけ出る煮汁。
Opeth
について書き始めるとどうしても精神論的になってしまうんでまとめますと、
「Deliverance」
のレビューでも触れた通りそこには最高峰のメロディ・演奏・アンサンブル・グルーブがあるだけです。いままで云々書いてきたつまらない事を抜きにしてこの作品を楽しんで頂ければ幸いと思います。
意外に本人たちはただ音で遊んでるだけなのかもしれません。
Best tune : 全部。
OPETH全部。
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