Vanitas / Der Schatten einer Existenz
はね

Track List :

1. Pendelschwung
2. Heiliger Schein
3. Atem Toene Auestern Schreien
4. Schliesze mir die Augen
5. Vor den Worten
6. Das Wort sieht Blicke
7. Wenn Schritte veraendern
8. Stillschweigen

評価 … ★★★★★★★★★★(神盤)

オーストリア産メロディックゴシック・デスメタル男女6人組の2ndアルバム。ヴォーカルは男性デスヴォイス(低音・中高音)Andreas氏がメイン。たま~に、語りかけるようなノーマル声もありで、彼はギターも担当しております。でそこに、今回から新たに加入した、ソプラノヴォイスのMaria嬢が随所で絡んできます。因みに歌詞は全部ドイツ語。あとは、もう一人ギターとベース・ドラム・Keyがいまして、ベースの方が所々でアコギも担当するようです。

と、ここまでの書き方ですと、バンドの構成自体としては今時この界隈では珍しくも何ともない感じなんですが、このアルバムには、それ以外にも至る所に好き者には堪らない悶絶的工夫が見受けられます。まずは、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの弦楽器3人衆をわざわざゲストに迎えてクサ泣き度を高めたり、そして今でこそこの手のバンドにありがちではありますが、Maria嬢自ら吹くフルートが随所で美しい音色を聞かせてくれます。

ではアルバムの主な楽曲紹介。1は、いきなりパイプオルガンが鳴り響きます。で、そのあとにフルート…と、出だしイントロからしてもうヤバイ感じがプンプンですねぇ~。この曲は比較的スローテンポ。途中~終盤にかけて疾走したりもしますが、あくまでも程々にって程度です。うまく起伏をつけてて良いですね。3は、2と似たようなミドルテンポの楽曲なのですが、こちらのほうがどちらかとゆーとメランコリックな感じがします。シケシケしたギターの音色とKeyの語りかけてくるような、それでいてどこか寒々しい弾き方がクサくて個人的にイイ感じっす。今度は、ヒューヒュー風吹く効果音にアコギ・フルートが乗っかるイントロが印象的な4です。時節スローテンポで途中疾走するんですが、その疾走手前のフルート~ヴァイオリンの流れが特に涙モンかと。ちょっとしたフレーズなんですが、個人的にはこーゆーところを思わず何回もリピートしたくなるんですよねぇ…(苦笑)締めのヴァイオリン+アコギもなかなかに印象的です。続く5はインスト。雇われたゲスト3人が泣きの弦楽器3重奏を奏でます。で、それから6に突入な訳ですが、イントロだけ聴くと「おっ疾走曲か?」と思わせといて、どんどんスピードが落ちていき、また走ったり歩いたりの繰り返しです。まぁ決して悪い意味ではないですけど…ってか、このあたりがVanitas節を感じ取れるところかもしれません。飽きさせない展開とゆーか…因みに8あたりも終始そんな感じでアルバムは終了します。

まぁどの楽曲をつうじても言える事なんですが、一際光ってるのがKey奏者でメガネ着用(笑)のJohannes氏ですね。かなりのセンスしてるなぁと思います。時には暗く寒々しく、そして荘厳だったりで。あと、ゲストのヴァイオリン奏者が所々でイイ仕事してますね~。正式メンバーとして加入して欲しいぐらいです。

それと、このバンドの楽曲の殆どはVo担当のAndreas氏が手掛けておるようです。デスヴォイスも2種類使い分け、ギターを弾き、曲作りと…この方、かなり多彩な才能をお持ちでいらっしゃいますねぇ。いっぽう女性VoのMaria嬢は、全体的には良く歌えてるほうだとは思いますが、できればもうチト歌声に安定感が欲しいところかもしれません。フルートのほうはかなり聞かせてくれますね。他の演奏陣も、これといって問題はないかと。プロダクションもチープとかではなく良好です。

個人的にこのアルバムは、あまりの悲哀クサ泣きメロなため神盤つけてしまいましたが、聴き手によっては「このバンドやりすぎでは?」と感じる恐れありかも…(苦笑)

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Best tune : Schliesze mir die Augen

まぁどの曲もなかなかに素晴らしい出来映えなわけですが、強いて選ぶとしたらコレでしょう。Vanitasの真骨頂が最初~最後まで堪能でき、泣ける名曲だと思います。
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