Lost Horizon / A Flame to the Ground Beneath
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・

Track List :

1. Transdimensional Revelation
2. Pure
3. Lost In The Depths Of Me
4. Again Will The Fire Burn
5. The Song Of The Earth
6. Cry Of A Restless Soul
7. Think Not Forever
8. Highlander (The One)
9. Deliverance

評価 … ★★★★☆☆☆☆☆☆(数曲に光)

スウェーデンが世界に誇るメタル救世主Lost Horizon待望の約2年ぶり2ndアルバム。前作からメンバーが二人増員。ツアーのサポートメンバーだったキーボードとセカンドギターがそのままメンバーになった。よりバンドとしてやっていく意志が強くなったことの現れでしょう。他に特に変化は無くフェイスペインティングもそのまま、ジャケットも相変わらず不思議なセンスです。

さて、人々が待ち望んでいたこのアルバム、一聴して耳につくのは何よりも疾走感が減退したことと、キーボードが随分と前にでたなといった感じ。イントロ、アウトロ、インストがあってボーカルが入ってるのは6曲で、どれも良質の漢メタル....って世間ではいわれてるみたいなんだけど、個人的にはそうでもない。各メンバーの技術は文句ナシに凄いわけで、特にボーカルのDaniel Heimanは凄いですね。音質も最高クラスで、兎に角凄いよ。

1曲目はインストでスペーシーな音が否が応でも期待感が高める。そして暑苦しいシャウトで始まる2曲目はアルバム中でも数少ない疾走曲でエモーショナルなWojtek Lisickiのギターも良い。3曲目はミドルテンポの曲でサビの裏でなってるキーボードがメランコリックで好き。少しテンポが上がって4曲目5曲目はインスト。初っ端から疾走の6曲目は最初のギターソロがもろにXっぽく、このアルバムで一番盛り上がる曲。最初のシャウトがB級メロスピっぽい(爆)8曲目はアップテンポでソロが凄く長い。かっこいいけどね。最初の変な音を聞いたときSentenced!?と思った8曲目は約12分の大曲。巡り巡るLost Horizonワールドへようこそって感じですよ。んで9曲目はアウトロ。

と9曲52分のこのアルバム。正直俺はそんなに好きでは無い。前作のような暑苦しい疾走曲を期待していたもの者には物足りないアルバムになったと思う。しかし確実に高品質なアルバムなことに変わりはないでしょう。現に様々なサイトで好評価を得て、神盤と称えらているところもある。だがしかし、どこで何言われようが知らねぇ。疾走しろ!ボーカルが超上手いとかギターがエモーショナルで泣いちゃうよとか、リズム隊が超タイトで安定感抜群だとか、キーボードが加入して余計に良くなったとかどうでもいい。Sworm In The Metal Windのような曲をやれ!
正直抱いていた期待感がでかかっただけに失望感もデカイわけだが、一般的に見れば高品質なアルバムに変わりはないので買っても損はないと思います。来日もして欲しいし。ただ、俺みたいな人もいるということです。

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Best tune : Cry Of A Restless Soul

こういう曲もっとやってよ。

評価 … ★★★★★★★★★★(神盤)

ライヴのサポートメンバーであったキーボードとギターを迎え、6人編成になったスウェーデンのメロディックパワーメタルバンドの約2年振りとなる2nd。音楽的には勇壮的な前作を踏襲しつつも、前作収録の「Sworn In The Metal Wind」で聴けたようなスピード感が若干減退しているように感じられるが、無理のない穏やかに流れる曲展開で起伏を多めに盛り込み、長いと全く感じることのないドラマティックで大作志向で壮大なスケールを感じられる曲はエモーションに訴えかける抒情メロディを前作以上にふんだんに持ち込み、良く練りこまれた楽曲は洗練され、まだ2ndだというのにも拘わらず、ベテランのような風格、落ち着いた円熟味を感じられるほどに成長したことに、初めて耳にした時には驚きを隠せなかった。

前作の時から「凄いMetal Vocalがスウェーデンにいたもんだ...」と思ったDaniel
Heiman
は更なる成長が窺える。高音域のレンジの広さは前作同様だが、そこに繊細さとしなやかさが加わり、歌声から力強さだけじゃなく、哀愁を感じられるようになり、スクリームの凄まじさも前作以上だし、何よりも声が良く伸びているし、表現力が声に身に着いてきているのを聴くとライヴやこの2年の間で更に巧さに磨きが掛かっているんだなーと開いた口が塞がらないってくらい圧倒されっぱなしで、現在数多くのHeavy Metalシンガーが存在するが、その中でもトップレベルの能力を持っており、まだ成長するのかなーと今後も楽しみだ。

あともう一人特筆すべきは、無論Wojtek Lisickiのギターだろう。どうしたというんだ?というくらいに泣きに泣き捲っているギターから抒情性に富んだ煽情的なメロディは、哀感が漂い高揚感を常に与え続ける素晴らしいプレイで聴く者の心を捉え、強烈に感情のツボを刺激する。当然前作同様アグレッシヴでソリッドなプレイもあるが、メロディを奏でている時は攻撃性は殆ど感じられず、前作との違いは明白である。個人的には今作の方が断然好きなソロでの旋律が多いわけなのですが、前作を聴いても涙腺をあまり刺激されなかったWojtekのギターで泣きが強調されるのは嬉し過ぎる誤算で、聴く度に波状のように何度となく絶頂をむかえ、昇天へと導くエモーショナルなギターソロに感服感激致しました。

曲の構成は前作同様、イントロ、アウトロ、そして所謂繋ぎの間奏曲があり、9曲収録だが実質曲としては6曲しか存在していないものの、その殆どが大作なわけで、聴き応え充分で決して満たされないということはないであろう。そして穏やかな曲調だとは書いたが、前作に引き続き当然熱い!それは表面的なものではなく、奥底から沸き起こってくるような熱さが今作には存在している。今作はスピード感という勢いで聴かせる、即ち即効性があるような曲ではなく、じわじわと良くなるような、メロディを丁寧に、曲を第一に製作されたんだろう、というのを聴く度に思わされる。そして淀みなく流れるアルバムにて、微妙だなーと思うことも一切感じず、6曲全てが聴き所を沢山詰め込んだドラマに溢れており、約53分という時間があっという間に終わってしまうようである。個人的には21世紀に入り、素晴らしい作品には多く触れたつもりだが、賛辞を惜しまず「名盤」と呼ぶに相応しい作品はコレが初めてで、何度聴いても感動が決して薄れることもなく、いつでも新鮮な空気を運び、何よりも是非、ライヴで見てみたいという衝動に駆られる一枚だ。

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Best tune : Highlander (The One)

もともと大作好きなんですが、この曲の構成、展開も難しくない程度に練られているし、何よりもDanielの熱唱がこのアルバムの中でも最も素晴らしくって感動してしまいました。それと11分06秒からのギターソロから駆け上がるようにラストに向っていくのも良いです。
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