3rd
Ancient Ceremony / The Third Testament
うにょうにょとちょっとおじゃましますよの巻

Track List :

1. Ex Insula Angelorum
2. Al Shaitan Mahrid
3. Litanies In Blood
4. Seed Of Evil
5. A Black Requiem
6. With Mephistophelic Egotheism
7. The Ultimate Nemesis
8. On Khaos Wings
9. Salute O Satana
10. Under Astral Tyranny
11. Bells of Damnation

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

ドイツ出身メロディック・ゴシックブラックメタルバンドの3rdアルバムです。暗黒的で邪悪さを持ちながらも、耽美的でドラマティックな音楽を作り上げています。

1曲目は短いイントロダクションですが、妖しげな女性ヴォーカルも登場しここですでに彼らの目指す音楽性を理解できます。すぐに本編2曲目に突入し、メタリックなリフを伴って疾走します。コーラス隊によって彩られたこの曲は、ゴシック的な暗黒美をストレートに感じられます。展開も多く、様々なパートで成り立っている曲です。続く3は、前の曲にもまして疾走感のある曲でドラムがよい仕事をしています。シンセの音色も荘厳さを加味し、その音色と共に疾走するパートは焦燥感を感じさせます。

メロディアスなギター音で始まる4は、オーケストレーションをバックにディープな語りのパートもあり、テクニカルなギターとデスヴォイスとの絡みもあり、短いながらもベースソロもあります。女声ヴォーカルがどことなく神秘的な歌声を聞かせます。続く5はドラムとギターの絡みで幕を開け、疾走するというドラマティックな曲です。疾走~疾走と続くこの曲は寂しげなシンセ音、をバックに歌うスローな女声ヴォーカルパートがありかなり上質な香りがします。

6はヘヴィなギターで始まりこれまた疾走します。彼らはガンガン突き進むタイプですね。ブラストビートも使われています。そして7ではコーラスとオーケストレーションで幕を開けるという、疾走しないで始まる曲も待ち受けているのでした。始まり方は非常に荘厳です。その後もシンフォニックな演奏ですが、この曲はそれ程疾走感のある曲ではありません。アルバムですから、このように緩急織り交ぜた構成は素晴らしいですね。

続く8もミッドテンポぎみに始まります。しかし、ディープなスローパートを挟んでちょっと疾走した後は、ドラマティックにミッドテンポに戻ります。9は更に荘厳で妖しい曲です。アルバムにおいては"間奏"のような役割を持った曲ですが、このアルバム中随一ではないでしょうか。演奏はシンフォニックだし、女声ヴォーカルは美しいですが、身も凍るほどの冷たさを感じることが出来ます。そして、10では再び疾走曲が待ち受けます。スローなパートとファストなパートが入り乱れた展開豊かな曲です。そしてやっぱり女声ヴォーカルとデスヴォイスの絡みもあるのね。アルバムのラストとなる11はデスヴォイスによる語りの後重~くはじまります。そしてちゃんと疾走してくれます。え~と、特に変わったことはありません。

全体的にアルバムを通して、ヘヴィでメタリックなリフを伴って疾走するジャーマンメタル的な演奏とシンフォニックなシンセに、ヒステリックな絶叫デスヴォイスを乗せたタイプのブラックメタルです。しかしデスヴォイスを抜きにしても楽曲はかなり暗いです。アンダーグラウンド臭はそれ程ありませんが、けっこう個性的なバンドだと思います。

で、ヴォーカルですが非常にあくが強いです。メロデス初心者などはちょっと耐えられないかもしれません。まぁ、ブラックメタルってこんなものなのでしょうが。楽曲の質は総じて高くアルバムを通して安心して聞くことが出来ます。ドラマティックなブラックが好きなら聞いておいて損はないでしょう。

Official Site

Amazonで買えるバンドの作品一覧を見る

Best tune : A Black Requiem

メロディアスなギターもあるし、女声ヴォーカルはかわいらしく歌ってるし、彼らの魅力が詰まっています。
トラックバックURL
http://www.xametal.net/impressions/tb.php/272
Topへ戻る

Xametal.net Review Script Ver 8.0-