1st
Rhapsody / Legendary Tales
このころのジャケはショボい

Track List :

1. Ira Tenax
2. Warrior of Ice
3. Rage of The Winter
4. Forest of Unicorns
5. Flames of Revenge
6. Virgin Skies
7. Land of Immortals
8. Echoes of Tragedy
9. Lord of The Thunder
10. Legendary Tales

評価 … ★★★★★★★★★★(神盤)

既に広く知られているシンフォニックメタルというジャンルを完成されたものとして作り上げたと言っても過言ではない、シンフォニックメタルキングRhapsodyの記念すべき1stアルバムにして類い希なる完成度を誇り、衝撃を持って迎えられた彼らの出世作。偉大なる彼らの歴史の総てはここから始まった、と胸を張って言える傑作です。

1のイタリア語によって綴られるコーラスとオーケストレーションによる短いイントロの後本編が始まりますが、この曲を聴いた時点で彼らがなみのヘヴィメタルバンドでないことを感じ取れます。1曲目にイントロダクションナンバーを入れるメタルバンドは数多くありますが、彼らのアルバムにはその手法が必然であり、物語の幕を開けるにふさわしいものであることは明らかです。ここから、後のアルバムに続くファンタスティックコンセプトストーリーが始まるわけでもあります。

続いて2は、いきなり分厚いコーラス隊を引き連れて大仰に始まる、まさにこの一曲をしてRhapsodyというバンドのあるべき姿を体現して見せた超名曲。なじみやすいメロディとこれでもかとばかりなシンフォニックさによって聴くものに徹底的に自らを印象づけてその世界に引き込むに十分な存在感を放っています。ファビオ・リオーネも気持ちよい歌唱を聴かせその能力を存分にアピールしており、曲も様々なパートを持つ極めて高い完成度を持った曲です。

吹雪の音から始まるメロディも寒さを湛えたかのような3は、アルバムの流れ的に非情に素直であり聞き手に与えたインパクトを緊張感を持たせたまま引き継ぎます。メロディはぐんぐん進むイメージであり彼らのわかりやすい歌メロは心地よく響きます。間奏が長いですが非常にメロディアスであり、彼らの音楽は総てが聞き所であることは明白です。様々な音色を用いておりますが決して散漫な印象を与えません。

4はアコースティックな楽器で清らかに始まりそのまま"静"のイメージを保ってファビオのヴォーカルが入ります。その後はコミカルなリズムや演奏のパートを挟み彼らの描き出すファンタスティックなストーリーの一片を際立たせています。"静"と"動"のパートを緩やかに含んだ小曲ですね。

続く5は一転してシンセサウンドでハデに幕を開け再び大仰に展開してゆきます。この曲も聞き所が多くキーボードのソロに厚く被さるコーラスは非常に美しく神秘的で荘厳です。またギターが繰り返すメロディも印象的なものであり心を捉えます。

そして6はヴォーカルの入っていない短いインストゥルメンタルナンバー。アルバムの折り返し地点でもあり一息つきます。とても良い構成のアルバムです。

続く7、来ました、めちゃめちゃキャッチーな歌メロで突き進むシンフォニックナンバーです。Aメロからしてファビオのヴォーカルが激ハマリで強い疾走感のあるメロディは一気にサビまでリスナーを引っ張ります。良いメロディを書くメタルバンドは数あれど、このような完成された音楽スタイルの中に非常に深く溶け込み、耳を離さないメロディを生み出している楽曲を耳にすれば、彼らがシーン随一たるバンドと成るべくしてそうある証となるはずです。

8はバラードです。鍵盤の響きをバックに歌うファビオの歌声が心にしみます。そして、サビは例の如く非常に大仰なコーラスが被さります。バラードと言っても良くあるタイプのパワーバラードではないし、おとなしめのバラードでもありません。アコースティックな響きを持った壮大な曲です。そしてアルバムの中で重要な立場を持っていることは言うまでもなく、この曲を挟んで再びスピードチューンが襲いかかります。

それが9ですが、これまたと~~~っても覚えやすくて耳障りの良いメロディをぶちかます名曲です。ギターパートもオーケストラパートも総て完璧な構成の曲でありもうここまで来たら完全にRhapsodyの虜だね。一曲の曲の中にいろいろな要素を詰め込んでそれでいて綺麗に纏め上げる素晴らしい才能に心の底から心酔します。

最後の10はアルバムの締めだけあって、アルバム中最長の長さを誇ります。といっても7分強なのでそれ程長い曲ではありませんが。穏やかに始まって長い旅の疲れを癒すかのようでもあります。もちろんそれだけで終わるRhapsodyであるはずがなく、パワフルな演奏やコーラスも入ってきます。そして次の作品への期待感も込めているわけです。やはりうまいですね、彼らはただ者ではないと言うことがこのアルバム一枚を聴き通せばわかるというわけです。初作でこれだけやれるバンドはそうはいない筈。曲はやっぱり静かに終わります。

このように1stアルバム一枚で彼らの世界は十分に堪能できます。このアルバムはドラマティックな音楽を愛する人は必聴であり、そうでない人も新しい世界を感じるために是非とも聴いておくべきものであることは明白です。

Rhapsodyと言うバンドはそれまでメタル未開の地であったかもしれないイタリアから突如として彗星の如く現れました。そしてメンバーそれぞれの力量も確かなものであり、それ故に彼らの才能がミックスされた傑作が世に送り出されてきたわけです。ファンタジー的な世界観が大好きな私に夢を与えてくれる彼らに、心からのヘイルを送ります。

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Best tune : Warrior of Ice

79もものすごい好きなのだけれど、この一曲でノックアウトされ、思いっきり彼らの世界に引きずり込まれた曲なので敬意を払ってこれにします。
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