In The Woods / HEart of Ages
超北欧タイプ

Track List :

1. Yearning the seeds of a new dimension
2. HEart of the ages
3. ...In the woods (Prologue Moments of... Epilogue)
4. Mourning the death of Aase
5. Wotan's return
6. Pigeon
7. The divinity of wisdom

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

ノルウェー出身のメロディックゴシック・ブラックメタルバンドの1995年発売の1stアルバム。Misanthropy Recordsからの発売ですが、当時は日本版も発売されました。ヴォーカルは絶叫ブラックメタルヴォイスと朗々と歌うクリーンヴォイスを使い分けており、壮大な演奏と合わせて独特の雰囲気を作り出しております。

1曲目はイントロから長く続くキーボードのパートがあり寂しく寒々としています。そしてドラムサウンドが入りクリ-ンヴォイスのヴォーカルが入ります。その後激走してヴォーカルが絶叫へと変わります。遙か遠くから思いを叫び続けるようなそのヴォーカルが胸に突き刺さります。その後再びクリーンヴォイスになるところは文句なしにカッコイイ。

タイトルトラックの2は電子的なサウンドで幕を開けるダークなナンバー。サウンドはひたすらスロー~ミッドテンポでアンダーグラウンド臭の濃いもので、その殆どがクリーンヴォイスで歌われています。曲の終盤はまさに森の中にいるかのようなSEを用いており、アルバム全体を通してその様な印象を持った暗くもの悲しいものであるにせよ、その"静"の部分がここに現れていると言えるでしょう。

三つのパートを持つ3は力強い演奏と絶叫ヴォイスの冴え渡るシンフォニックさで始まり、妖しげな語りやクリーンヴォイスも登場します。バックで流れているメロディはメロディアスなものであるにせよ非常にダークです。

続く4はドラムサウンドに続いてヘヴィメタリックなギターソロで始まりますがその後は静かなパートになり歌うのは女声ヴォーカルです。とはいっても歌詞は特にないようではありますが。そして女声ヴォーカルに会わせて演奏も盛り上がり切なくも苦しくそして美しい曲を作り上げています。

5は寒そうな吹雪の音で始まりホントに寒々しいナンバー。アルバム中で最も長い14分を超える大曲です。流石に長い曲なので疾走パートもけっこう長く続き期待に応えてくれます。シンプルなものではありますが、疾走しながら絶叫をかますシーンはなかなかに聴き応えたっぷりです。もちろん疾走一辺倒でなく様々なパートに分かれており、"静"と"動"の対比が実に見事であることが聴いて取れます。

6はピアノを前面に押し出した短めのインストゥルメンタルナンバーです。決して短いアルバムではありませんので落ち着いた静かな、それでいて儚く美しいこのような楽曲が非常に冴えるものとなります。

ラストを飾る7は非常にメロディアスなオーケストレーションの悲しい響きで幕を開けるドラマティックな曲。クリーンヴォイスのヴォーカルも今までになく情感を込めてがんばっていますし、バックで流れる女声コーラスも神秘的で美しいです。最後はギターソロが締めていますが、このギターのメロディも非常にツボをついた最高の仕上がりとなっています。そしてSEが入って終わり。

彼らは思想的にはヴァイキング的な自然派であるようです。サウンドはヴァイキング的な勇壮さを押し出したものではなく、また所謂シンフォニックブラックメタルともちょっと違う独特なものです。ダークで奥深い世界につかりたい人には激オススメです。

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Best tune : Yearning the seeds of a new dimension

一曲目からして彼らのディープな世界にどっぷり浸れる名曲。2nd以降のアルバムでは方向性が変わってしまったようで残念。
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