1st
Arcturus / Aspera Hiemssymfonia
オーロラもどき

Track List :

1. To Thou Who Dwellest In The Night
2. Wintry Grey
3. Whence & Whither Goest The Wind
4. Raudt Og Suart
5. The Bodkin & The Quietus (...To Reach The Stars)
6. Du Nordavind
7. Fall of Man
8. Naar Kulda tar (Frostnettenes Prolog)

評価 … ★★★★★★☆☆☆☆(良盤)

聖地ノルウェー出身のシンフォニックブラックメタルバンドによる1stアルバムです。アルバムごとに作風の違う彼らですが、今回のサウンドはKeyをふんだんに用いたゴージャスなものであり、非常に煌びやかであると言って良いでしょう。

そしてアルバムはいきなりのシンフォニック丸出し疾走アップテンポな1で幕を開けます。何これ、ブラック?と始まった瞬間に思うこと請け合いなのですが、すぐに潰れたディストーションヴォイスが被さってきてあぁぶらっくめたるなんだなぁと思わせてくれるのです。スローなパートもありますが早いパートが多い曲です。Gソロも良いよ。

2はなにやら妖しい男声コーラスで始まるスローテンポ気味な曲ですね。極めてドラマティックな構成になっています。その後もコーラスがバリバリ入ってきます。キラキラもしてます。キラキラブラックの真骨頂です。

3はそしてそしてイントロのメロディーが美しすぎますね~。曲はスロー~ミッドテンポな感じでありますがヴォーカルが入ってからもこのメロディーは相変わらず良いのです。ちょっと勇壮な感じになったりもします。

4はちょっとヘヴィに決めてみたかのようなギターリフが聴かれますが、それでもこのバンドの主役はKeyなのでしょうか。ちょっと変わった展開の仕方をします。プログレッシブな、とでも言うのでしょうか。それ程ではないかもしれません。この曲も冷たいオーケストレーションがうっすら被さっていてコーラスと非常にマッチしているのです。

続く5はゆったりしたテンポにゆったりしたメロディーを乗っけたイントロで始まります。ヴォーカルの叫びは悲壮感を極めサウンドやメロディーと一体になり凍り付きそうなほどの悲しみをひしひしと感じるのです。

6はこれまた不思議な感じのするリズムが入ってきたりしますが、間奏でのKeyソロは非常にメロディアスであり感情がこもっていると言うほかありません。まるで冷たい湖の中に沈んでいくかのような感覚を受けてしまいます。

そして7は力強さを感じさせるドラムと相変わらず美しすぎるKeyの湛えるシンフォニック極まりない演奏が身にしみますね。非常によい曲です。ミッドテンポっぽい曲ですがそれでもドラマティックであり感動を誘うのですよ。ギターソロもあります、これがまた良い!

ラストは8ですがこの曲はまさに最後を締めるに相応しく壮麗な演奏にこれでもかとばかりにコーラスも詰め込みメロディーも詰め込みこのアルバムはこういうアルバムだったのですよ、と念を押すかのように今までやったきたことを繰り返した後にホントに寒々しいSEを含んでアルバムは幕を閉じるのです。

このアルバムは疾走は余りしませんが、ドラマティックでシンフォニックなブラックメタルが好きな方には是非とも聴いていただきたい一枚です。かなりの名盤と言って良いでしょう。アンダーグラウンド臭は特に感じさせられませんが個性的であるとは思います。

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Best tune : Fall of Man

Keyのフレーズがめちゃめちゃ悲しげで美しくて好きですよ。これはもう大変です。いつまでも繰り返すものですから悲しみの涙に溺れてしまいそうです。
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