1.Silence of The Northern Hell 2.Crimson Symphony 3.Under The Sin Of Grief 4.Legend Of Dark 5.Requiem 6.King Of The Sacred Sword 7.Infernal World
評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)
いやぁ・・・これは嬉しい誤算でしたわ。
本作は大阪出身のシンフォニック・デスメタルバンドBLOOD STAIN CHILDのデビュー・アルバムです。実は、このバンドの名前は以前から知っていたんですが、今作を聴くまでは「多分、典型的北欧メロデス・サウンドを演っているバンドなのだろうな。」と思い込んでいたため、それほど興味を抱いていなかったんですな。 ところが・・・俺の予想とは裏腹に、実際彼らが追求しているサウンドはむしろシンフォニック・メタル的アプローチを大胆に導入したモノであり、単純にSpinefarm系バンド(CHILDREN OF BODOM、ETERNAL TEARS OF SORROW、KALMAR、NORTHER...etc.)と比較は出来ないことに気付かされました。正直、「メロデス<メロ/シンフォ・パワーメタル」な人々の方がすんなりハマってしまうんじゃないでしょうか。 特に、バックグラウンドに間断なく鳴り響くオーケストレーションの導入の仕方などは、時にBAL-SAGOTHも顔負けの激クサっぷり・・・Key奏者がNIGHTWISHのツォーマスに影響を受けているそうなので、その辺のセンスがもろに反映されているのかもしれませんね。後半の劇的チューン"Requiem"、"King Of The Sacred Sword"を聴くと最も良く分かると思います。 確かに"Legend Of Dark"のように咆哮の入れ方や、オーケストラ・ヒットのタイミングなどがモロにチルボドな楽曲はありますが、兎に角偏見を持たずに聴いて欲しいと思います。実は類型的との偏見をもたれる事よりも「日本のバンド」という事実の方が食わず嫌いに繋がる可能性もありますが、昨今日本盤を出している欧州バンド群と比べ演奏能力やプロダクション面で開きがあるワケでも無いので、シンフォニック・メタル好きな方はドップリとハマれるハズ。 最後に、生粋のシンフォニック・メタラーの視点から、次作への要望事項を挙げると、"Requiem"、"King Of The Sacred Sword"のようにクラシカルかつ大仰なインスト・パートを含んだ楽曲を増やして欲しいですね。あと、7曲31分はヤハリ短いので、せめて50分弱ぐらいの作品にして欲しいな(大曲or組曲なんかが入ってくるとなお良し!)。