6th
Dark Tranquillity / Damage Done
よくわからんけどカッコイイね

Track List :

1. Final Resistance
2. Hours Passed In Exile
3. Monochromatic Stains
4. Single Part Of Two
5. The Treason Wall
6. Format C: For Cortex
7. Damage Done
8. Cathode Ray Sunshine
9. The Enemy
10.The Poison Well (Bonus Track)
11.White Noise / Black Silence
12.Ex Nihilo

評価 … ★★★★★★★★★☆(仏盤)

数々のバンドが、成長という名で音楽スタイルを変化させていく...それ自体は特別なことではないものの、しかし個人的には時によって、その急激なまでの変化についていけず、好めないバンドも数多く存在している。新譜が発売される度に心の何処かで「甦れ!」という想いが強く、そしてやはり違うスタイルだ、とガッカリするパターンが殆どだ。

しかし、そんなファン皆の想いがバンド側に遂に届いたのではないか?と思う快作6thアルバムである今作「Damage Done」を約2年振りに携えDark Tranquillityがかつての姿である初期の衝動と輝きを取り戻してくれた。

ヘヴィ・メタル的なアグレッションとスピーディーでドラマティックな曲展開に、コレでも喰らえ!と云わんばかりの波状攻撃のように盛り込まれる激情の哀感たっぷりなメロディが乗る様は正にかつての、ずーっと待ち焦がれていたDark Tranquillityが本来持っていた姿だ。但し今作でのメロディの感触は、派手に目立つことはないものの「Projector」以降のサウンドの鍵を握るキーボディスト・Martin Brandstromにより醸し出されているゴシック的な耽美な世界感が強く出ていることから4th「Projector」や5th「Haven」のメランコリックかつ憂愁な部分が強調されているように感じられ、かつての焼き直しってわけではなく、その上、無駄な部分を削ぎ落としたかのように曲はシンプルになり、以前のように起伏のあるこ難しさは皆無となり、耳に馴染みやすい即効性のある音へと変貌を遂げ、「Projector」「Haven」という作品が決して無駄でないことを今作が教えてくれる。

聴き始めた頃こそ、中盤以降の曲のメロディが弱く感じられたが、決して中弛みって程でもなく聴き込めば聴き込む程、深みのある劇的なメロディが沢山あることに気付き、全てがこの作品を作るのに大事なパーツであることがわかるし、日本盤ボーナストラックの10曲目もサビ部分がキャッチーでなかなか良く、アルバムのバランスも壊していない。

しかし最後の12曲目のインスト曲はいらなかった。いや、いらないっていうか曲の構成を考えるとここに配置するより、中盤にあった方が映えるだろうし、そもそも何よりこの曲がピリオドを打つような曲だとは思えない。他が良いだけにコレが非常に残念でならないんだが、それさえ除けば本当に今作は素晴らしい。

ファンとは単純な生き物かもしれない...しかし聴きたかった音を聴ければ喜ぶのも口に出したくなるのも当然の衝動。4th「Projector」を聴いて見限ってしまったかつてのファンにこそ聴いてもらいたい作品に乾杯!

しかし「Projector」「Haven」が好きなファンにとって今作は期待外れの出来になっていることはいうまでも無かろう。

~つとむ~

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Best tune : The Treason Wall

コレを聴いた時はぶっ飛んだ。もう2度とこのバンドはこんな曲書けないと思っていたのにね。パワフルかつアグレッシヴに悲哀を感じさせ、非常に煽情度が高くドラマティックに展開しながら疾走するメロディアスなこの曲こそがDark Tranquillityそのもの。これを聴かずして今年の「Melodic Death」は語るなかれ!
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