1. Judgement Bells(SE) 2. Distance For The Glory 3. Dawned Darkness 4. Spell Master
評価 … ★★★★★☆☆☆☆☆(地盤(Not bad))
「ク・・・Xaッ!!」
イントロJudgement Bellsに続くDistance For The Gloryがヘッドホンから流れ出した瞬間、西新宿の街中(とみん銀行前交差点)で思わず独り言ですよ。 本作は大阪出身のシンフォニック・パワーメタル・バンドMANDYLIONのデビュー・シングルCD-R(4曲入り)です。以前から彼らの存在は知っていましたが(自分主催のSYMPHONIC METAL RINGに加入しているので)、音源については一切聴いたコトがありませんでした。今作で彼らのサウンドを初めて体験したんですが・・・コレは面白いですね。 基本的にはRHAPSODY直系のドラマティック・サウンドを標榜しており、厚みは不足していながらも大仰なオーケストレーション&コーラス・ワーク、疾走を前提とした起伏に富む展開、そして全編を通して鳴り響くクサメロ(劇メロでも可)がサウンドの基盤になっています。これだけなら最近南欧、南米からも同様のバンドが立て続けに出てきておりなんら珍しくないのですが、このバンドの創る楽曲(特に上記のDistance For The Glory)は俺が思わず呟いてしまったほどにメロディがクサく、それゆえにインパクトは強烈でした。日本人のみに創り出すことの出来る度を越えたクサさですね、これは。 ただ、メロディという観点からはカナリ魅力的ですが、問題点もまだまだ多いと言わざるを得ないでしょう。まず耳についたのはヴォーカルのMichael嬢の唱法で、声質が細いのにパワーメタル・シンガー的に歌おうとするあまり、リキみによる不安定感が前面に出てしまっています。英語の発音も気になりますが、これは英詩の載せ方を工夫したり、単語の途中で不自然に母音を引っ張らない様に気をつければ大分改善されるでしょう。あと、打ち込みのドラム・サウンドや露骨なパクリ・フレーズ from RHAPSODYも人によっては気になって仕方がないトコロでしょう(3曲目Dawned Darknessの冒頭なんて特に)。あと、サウンド・プロダクションはかなりチープなので、「曲が良けりゃイイんだよ!」と割り切って聴ける人以外には厳しいモノがあるかもしれません。 色々気になる点もありますが、ギターとキーボードのソロ・バトルもなかなかに印象的ですし、随所からセンスは感じられますので、更にテクニック面やアレンジ面で磨きがかかってくればカナリの作品が作れるのではないでしょうか。メンバーも皆若いですし・・・ってか、ベースのLueって14歳!?・・・そうかぁ、中学生かぁ・・・(遠い目)