Mechanical Poet / Woodland Prattlers
俺だったらこんな場所でなんか書いたりできない

Track List :

1. Main Titles
2. Stormchild
3. Boggie In A Coal-Hole
4. Siren From The Underland
5. Will O' The Wisp
6. Strayed Moppet
7. Old Years Merry Funeral
8. Natural Quaternion
9. Shades On A Casement
10. Swamp-Stamp-Polka
11. End Credits

評価 … ★★★★★★★★☆☆(岩盤(Great))

ロシアのキラキラプログ学園パワーメタル学部生Mechanical Poetのデビューアルバム。何とも形容しがたいジャケの通りの珍奇な御伽噺のような世界をロシア特有のあの雰囲気で染めながらなかなか大きなスケールで描く、とても珍しいタイプのバンドだ。リズムパターンの変化などはあるにはあるが所謂プログレというほどには難解ではなく、軽いタッチで楽しめるそのあたりはWuthering Heightsと通じるものがあるかもしれない。曲も長くないしね。かのバンドとの違いを言うならばメロスピの機能的なメロディの即効性は低いということか。しかしそれイコール全体の否定とは結びつかず、むしろOld Years Merry Funeralのような他では聞けないような妖しげな跳ねのある曲だとか、打倒Finntroll的なSwamp-Stamp-Polkaといった曲とか、叙情性をまき散らしながらサビで変形疾走するBoggie In A Coal-Hole、映画サントラのようなShades On A Casementといった曲を筆頭にこのバンドならではの匂いを感じる事が出来たならば、長く楽しめるスルメ盤へと変化していくと思う。

同郷のEpidemiaも兼任しているボーカルは声色を複数使い分け物語性の深みを醸しだし、非常に曲調にあったエモーショナルな歌い方をしており好印象だ。演奏も特に破綻しきっているような部分は見受けられない、というか上手い上に細かく仕掛けが仕込んである。加えて音数が多いので細かい箇所に何度も聞いてると気づけるし面白い作品といっていいだろう。極太のギターがべっとりと突進力のあるバスドラに絡みつくデスメタルをも思わせる緊張感あふれるStormchildBoggie In A Coal-Holeはファンタジックに哀しみのメロディを貫くキラーチューンである。Strayed Moppetは最近のフィンランドのノリノリゴシックみたいな音で攻めてくるし、ロシアのくせに(笑)妙にかっこいい。

ともすれば散漫と思われそうなほどに引き出しは多いし、曲は実によく練られてて素晴らしい。現時点でロシア産で一番好きなバンドだなぁ。輸入盤マニアだけでは決して終わって欲しくないバンドというのはこういうものではないかと俺は思う。ただ合わない人には間違いなく「ワケワカンネエ」の一言で終わってしまうだろうな。個人的に今後にものすごく期待。

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Best tune : Boggie In A Coal-Hole

その鬱メロの優良さは言うまでもないが、歌詞をあまり詰め込まない浪々とした壮大なサビメロと、それをバッキングでキラキラと支えるKeyと空間を押し広げるシンセ、そして普通ではない変則的でべっとりとしたドラムの疾走具合が何とも言えない。聴けば聴くほどはまっていった

評価 … ★★★★★★☆☆☆☆(良盤)

仄かにヴァイキングな感性をも感じさせるロシアのキラキラ・プログレメタルバンドの1stアルバム。プログレといってもDream Theaterフォロワー系のそういう類の型に嵌った変拍子に頼りきりのタイプとは違って、空間支配系のキラキラKeyやチェロ・バイオリン等の管弦楽器によって荘厳に仕立て上げられた横ノリメロディが、予想し得る次の展開を適度なアバンギャルド性で裏切りつつ構築されていく様が非常に心地よいタイプのプログレ感です。

激ウマ演奏陣の安定感もあってこりゃ良い。ベタベタなクササとは趣が異なるけれども、自称メロディの感受性が広い人には是非是非アタックしてみて欲しい一品。御伽の国の夕暮れに佇む海賊船が脳裏に浮かぶかのような、映画サントラ的壮大な世界観が満喫できる事請け合い。ちなみにロシアン糞尿クソメタラーEpidemiaのボーカルがメンバーらしいけど、嘘に違いない。
~どみね。~

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Best tune : Strayed Moppet

仄かにキラキラと演出されるメインメロディが重心低く地面をエグルかのような重量感で突進する様がとても勇壮でカッコイイ。一般ロックチャートに登場してもおかしくないような大衆性をも持ってると思う。

評価 … ★★★★★★☆☆☆☆(良盤)

ロシアのプログレッシブメタルです、って上にも書いてあります。複雑な展開と瑞々しくて浮遊感のあるKeyが印象的なアルバムです。楽曲のへんてこりんさはこのジャケットから予想できるものですが、じっさいごちゃごちゃと音が詰め込まれています。ヴォーカルは鬱々してますがなかなか表現力のある人です。あーなんか聞いたことのあるような声だなー、でもどこで聴いたんだろう、全然思い出せないやっていう感じでした。ギターは意外とヘヴィだな、という印象です。

アルバムに収録されている楽曲はけっこう多彩であり、不思議な曲からノリのいい曲、良くできたバラードとあります。ええ、それは9Shades On A Casementです。オルゴールっぽくぽろぽろ響くKeyをともなってアコースティックに始まり、情感たっぷり歌い上げています。この一曲で聴いた価値がありました。そう思わせるためにアルバムの最後の方にバラードを入れてくるんですね。しかしそれで終わらないところがこのアルバムの良いところでした。聞き惚れて余韻に浸っていたらノリノリの明るい曲が待っていました。これでまた印象変わりました。最後はインストでフワフワ締めます。終わり!っていうよりまだまだ続きそうな感じです。次のCDを待ちましょう。

ストレートでわかりやすいヘヴィメタルではありませんが、シンフォニックで派手な音が好きなら聴いてみるのも悪くないのではないでしょうか。ブロンドヘアーのヴォーカルは俺より若いし、このアルバムが出たのも2004年12月ということで実力のある若手バンドと言って良いでしょう。

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Best tune : Swamp-Stamp-Polka

そういうわけでこの曲は(・∀・)イイ!!です。短い曲ですがかなりコミカルで元気になれます。それでもKeyはぽろんぽろんと響いてるところが心憎い演出だ。
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